医学部50周年
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随  想らくしてからマスコミ関係者が両親に接触しインタビューを試みましたが、両親は断られたとのこと。どこから両親の情報を手に入れたのか不明です。公的な情報等をつなぎ合わせてたどり着いたのでしょうか?もう1つの漏洩は思いもしなかったところで起きました。摘出後しばらくして開催されたある学会の口演の中で、某教授が臓器提供に至る経緯(上記本文では触れていないこと)を話してしまったことです。幸い、後に影響は残らなかったようですが、とにかく情報保護、漏洩防止は難しいものと実感しました。我が国初の6歳未満の幼児からの脳死下臓器提供は、小児科を中心とした医療チームの奮闘なくしてはかなわなかったことです。外部の専門家、厚労省や移植ネットワークの関係者など多方面からの応援は大変有難いものでした。後日、小児科循環器グループのチーフの先生の退官記念会の席上、関西地域の小児科教授が話しかけてこられました。「あの心臓を移植されたレシピエントの主治医をしています。(彼/彼女は)元気にしています」と。43

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