医学部50周年
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教室の沿革診療体制教育体制の現状研究活動の変遷血液濾過透析件数も年々増加している。心腎連関の病態が提唱されているが、循環器と腎疾患を担当している当科では医局全体で心臓と腎疾患の協力体制を敷いて日々の診療に対応している。学生教育として循環器病学、腎臓病学を医学科4年次から講義および臨床実習を通して担当している。5、6年生を対象としたアドバンスド臨床実習ではさらに専門性の高い臨床医学の詳細を学び実習できる機会を設けている。教員によるレクチャーおよび病棟でのチーム医療に参加し診療の実際を学んでいる。卒後教育では関連病院と協力し、それぞれの病院で循環器カテーテル治療や人工透析管理などの修練積み、J-OSLERを基本とした日本内科学会認定総合内科専門医はもとよりサブスペシャリティの専門医・指導医の取得が可能なキャリアパスを構築している。絹川教授の下、講座内の臨床データのデータベース化を行い国内外の学会発表および論文発表を行っている。研究チームとしては重症心不全(今村、中村)、虚血(上野、傍島、牛島)、心エコー(福田、田中)、不整脈(片岡)、腎・高血圧(小池、山崎)に分かれ、各々の領域で研究を行っている。臨床で先進的な治療を推進してきたことで、多岐にわたる分野の最新治療に関する研究成果を上げている。泉田俊秀は第27回日本心不全学会においてYIA優秀賞、第30回日本心臓リハビリテーション学会においてYIA最優秀賞を受賞した。近年、研究チームの垣根も超えてデータを共有し講座全体での研究成果が得られ、国際誌への投稿論文もここ数年で飛躍的に増加している。研修医においても積極的に症例報告や研究データの学会発表や論文投稿を行っている。日本内科学会総会の『日本内科学会ことはじめ』では令和4年福尾篤子、令和6年山本里緒菜がそれぞれ優秀演題賞を受賞した。(福田信之、絹川弘一郎)内科学第二講座は昭和52年4月杉本恒明教授が着任し開講された。昭和58年11月篠山重威教授が第二代教授、平成4年12月井上博教授が第三代教授に着任し引き継がれた。平成27年10月に東京大学重症心不全治療開発講座より絹川弘一郎教授が第四代教授として着任し、現在に至っている。当講座は設置当初は循環器内科学、腎高血圧内科学、脳神経内科学を担当していたが、平成17年6月脳神経内科講座が新設され脳神経内科学は独立し、以降は循環器内科学および腎高血圧内科学を担当している。医局関連人事は『開学40周年記念誌』に平成27年まで記述されており、本稿では平成28年以降を記載した。令和元年にシカゴ大学留学から帰国した今村輝彦が講師に就任し、令和5年に准教授に就任した。令和元年に上野博志が助教から講師に就任した。国立循環器病センターの国内留学から戻った片岡直也が令和元年に助教に就任した。令和3年に牛島龍一、令和5年に田中修平がそれぞれ助教に就任し、現在に至っている。また、令和3年に小池勤が医療の質推進室特命准教授に就任した。当講座でこれまで活躍し転出した主要教員について記載する。水牧功一富山大学臨床倫理センターの特任准教授は平成元年にアルペン室谷クリニック病院長に就任した。平井忠和講師は平成元年に不二越病院長に就任し、城宝秀司講師は令和5年に堀川内科クリニック院長に就任した。関連病院では麻野井英次が平成30年に富山西総合病院長、亀山智樹が令和6年に済生会富山病院長に就任している。平成29年附属病院に循環器センターを開設し循環器の診療体制は一段と充実した。心原性ショックに対するIABP、ECMOおよびIMPELLA管理、カテーテルによる虚血性心疾患・弁膜症・不整脈の最新医療を提供し、さらには植込み型補助人工心臓の実施施設となり全国標準の治療体系が院内で完結できる施設となった。循環器診療体制の充実に伴い重症例も増加し、腎高血圧分野においても管理が難しい血液浄化療法症例は増加し持続的74 内科学(第二)講座

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