1310 学生向け調査において、採用を目的とした企業説明会等に参加したピークの時期を月別にみると、9月以前とした回答割合は7.7%で昨年度より約4%ポイント増加した。また、企業説明会やセミナー等に参加したピークの時期を月別にみると、3月との回答が約31%と最多である一方、2月以前との回答の累積割合は約52%で昨年より約5%ポイント増加しており、早期化の傾向がみられた。11 学生向け調査においては、最初の採用面接を受けた時期を月別にみると、9月以前とした回答割合は9.4%で昨年度より3%ポイント上昇したほか、採用面接を受けたピークの時期を月別にみると、3月以前の割合が上昇した。また、2018年度以降を経年比較すると、3月以前がピークとの累積割合が約35%と過去最多になっており、早期化する傾向がみられた。さらに、最後に面接を受けた時期が7月との回答が約14%と低下しており、学生の採用選考活動が昨年度よりも短期化した傾向がみられた。12 学生向け調査は、就活ルールへの考えに対する質問に回答のあった4,609人の学生が対象。13 大学等向け調査は、有効回答699大学等が対象。その他の選択肢は、「どちらともいえない」(27.8%)、「広報活動は自由に開始した方がよい」(7.9%)、「開始時期を変更した方がよい」(6.6%)、「採用選考は自由に開始した方がよい」(2.4%)、「開始時期の設定は必要ない」(4.6%)。14 企業向け調査は、有効回答213社が対象。「就職・採用活動の日程について、何らかのルールは必要だと思いますか」との問いへのその他の回答は、「不要」(11.3%)、「わからない」(28.2%)、「未回答」(6.1%)。また、「現在の就職・採用活動の日程に賛成ですか」との問いへのその他の回答は「反対」(34.2%)。15 学生向け調査においては、企業が「インターンシップ」や「ワンデー仕事体験」等と称して実施したプログラムをすべて含めて回答を求めた。15 学生向け調査においては、インターンシップの効果として「仕事の内容を具体的に知ることができた」との項目に対する「そう思う」との回答は、「半日又は1日間以下」と「2日間以上」でそれぞれ約47%と約63%、「会社の雰囲気を理解することができた」ではそれぞれ約37%と約57%、「自分の将来設計(キャリアプラン)を考えるのに役だった」ではそれぞれ約24%と約36%であった。17 実質的な選考を行う活動とは、インターンシップの参加が採用面接等を受けるための必須条件になっているもの、インターンシップ終了後に参加者を対象とした採用説明会・採用面接・試験の案内があったもの、インターンシップの結果が内々定の獲得に影響するものが含まれる。みられた10。また、最初の採用面接を受けた時期については、昨年度と比べ9月以前に参加したとの回答割合や、面接を受けたピークを3月とする回答割合がやや上昇し、ルールを逸脱した採用活動の早期化が進展する動きがみられた11。 就職・採用活動日程について、学生、大学等、企業向けそれぞれの調査を行った。学生向け調査では、「ルールは必要であり、現在の開始時期が良い」との回答割合が最も高かった(広報活動開始が約36.8%、採用選考活動が約32.1%、正式内定が約43.7%)12。大学等向け調査では、「現在の開始時期で良い」との回答割合が最も高かった(50.8%)13。企業向け調査では、「就職・採用活動の日程について、何らかのルールは必要」とする回答割合が最も高く(54.5%)、「現在の就職・採用活動の日程に賛成」とする回答が「反対」を上回った(65.8%)14。 現在の日程の評価について、学生向け調査では、新型コロナウイルス感染症の影響下でも、「先輩の体験など昨年の就職活動の情報を参考にすることができた」(60.9%)、「どの時期にどのような就職活動をするか予定を立てやすく準備・行動ができた」(54.7%)など、プラス面の効果がみられた。他方、「面接などの選考活動を早期に開始する企業があり混乱した」(48.0%)との指摘もみられた。(3) また、学生向けに、近年学生の積極的な参加がみられるインターンシップ等15についてもアンケート調査を行った。それによれば、約7割の学生がインターンシップ等に参加していた。その効果については、「仕事の内容を具体的に知ることができた」、「会社の雰囲気を理解することができた」等の良い影響が確認され、特に、半日又は1日以下の短期で実施しているものよりも、2日間以上の長期のものにおいて、その傾向が顕著にみられた16。 インターンシップ等と実質的な採用選考との関係については、46.4%のインターンシップ等に実質的な選考を行う活動17が含まれ、インターンシップ等の参加後、54.3%の学生が「インターンシップ参加者を対象とした早期選考の案内」を受け(昨年は50.6%)、42.6%の学生が「エントリーの案内」を受けた(昨年は37.7%)と回答した。それぞれ昨年よりも高まっており、インターンシップ等が就職・採用活動と関連付けられている可能性がうかがえる。 経団連と大学関係団体等の代表者により構成される「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(以下「産学協議会」という。)は、企業による採用形態の多様化・グローバル化の推進を念頭に中長期的に見た日本の新たなインターンシップのあり方をゼロベースで定義しようと意見交換を重ね、新たなインターンシップの定義として、「学生が、その仕事に就く能力が自らに備わっているかどうか(自らがその仕事で通用するかどうか)を見極めることを目的に、自らの専攻を含む関心分野や将来のキャリアに関連した就業体験(企業の実務を体験すること)を行う活動」であるとすることで昨年4月に産学間の共通認識が得られ、本年4月には、「産学協働による自律的なキャリア形成の推進」報告書(以下「産学協議会 2021年度報告書」という。)を公表した。その中で、質の高いインターンシップの普及・定着及び産学連携による学生のキャリア形成支援の充実に向け、新たなインターンシップが満たすべき5つの要件を示し、インターンシップを含む学生のキャリア形成支援活動の類型化を行うとともに、いわゆる「ワンデーインターンシップ」と呼称されてきたものに代表される、就業体験を伴わないプログラムをインターンシップに含めないことや、採用活動開始以降に限って、インターンシップで得た学生情報を活用できることで
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