医学部案内2022
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9ため,課外活動にも時間がかけやすくなり充実します。体育系部活動では2年次後半から3年次にかけて選手ならびに運営の主軸となり,新たな人間形成の場にもなっていきます。同様な時期に精神看護学総論が始まり,3年次にかけて精神臨床医学など「こころ」の学びが増えてきます。3年次は看護の専門科目授業が充実するとともに,地域看護学や在宅看護論などが加わり,授業は「くらし」の視点に移ってきます。看護領域と保健領域の全分野を網羅するプロフェッショナルになるための積み重ね教育です。それらの知識は3年次の後半2月から開始される臨地実習に繋がっていきます。また助産コースの選抜は3年次に行われ,その講義は後半から実施されます。臨地実習のローテーションは4年次前半まで続き,ほぼ実習中心のカリキュラムとなりますが,配属された講座別に看護研究も開始され,年内には研究論文集として製本されます。さらに後半には総合実習が組まれています。このようなステップで,富山大学の看護学科は4年間で看護師,保健師,助産師(選抜制)の免許が同時にとれるシステムになっています。国家試験はいずれもほぼ全員の学生が合格してきました。そして,アカデミックなナースとして社会に貢献できる医療者を目指します。これまで看護職は医療の中で,一人ひとりの患者さま,あるいは生活者を対象に必要なケアを行ってきました。その中で看護師個人の経験値はとても重要なものです。しかし,看護のエビデンスを求めていくためには多くの情報資源を用いた解決策を見出す必要があります。そのためには様々なデータを活用できるデータ・サイエンスの能力を身につけましょう。富山大学では1年次の「情報処理科目」を必須とし,3年次の医学科との合同教育である「疫学」にもつなげていくほか,各専門科目においても,この領域を強化していきます。そして看護ケアの高みを目指していきます。これまで富山大学杉谷キャンパスは「東西医学の融合」を理念に歩んできました。看護学科が設立されて今年で27年目を迎えたわけですが,看護学科では,「和漢医薬学入門」や「東洋の知と看護」などの授業科目を通して,東洋医学的な発想や知識を学べる大学として最も力を入れています。それは治癒できない慢性的な疾病をもつ患者さん,あるいは生命の限界が迫りつつある患者さんに対しての全人的なケア力の向上に役立ってきたと言えます。個々の患者さんがより幸せな人生を歩めるサポートができる人材に卒業生は育っています。また全員が保健師受験資格を得るための学修を行うことで,行政への就職の選択肢も広がり,在宅看護や地域での保健師活動につながっています。目指すゴールはそれぞれの価値観を生かせるものになっていきます。そのため卒業後の進路選択肢も豊富であることが大きな強みです。附属病院を中心とした就職という道の他にも,高度な看護実践を目指す大学院博士前期課程,博士後期課程,専門看護師(がん看護,母性看護)など極めるべき専門コースは多く,海外での医療支援の役割を担う卒業生もいます。今の自分に不安を抱えるより,将来の夢をこのキャンパスで描き,新たな自分に挑戦しようではありませんか。杉谷キャンパスでマルチな素養を身につけ,相互理解の中から,自分のアイデンティティを育ててみませんか?3年次教育4年次教育データ・プラス・ナーシングの学び卒業後のアイデンティティ

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