医学部案内2022
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24私は卒後,母校富山大学の泌尿器科に入局しましたが,入局当時は開放手術から腹腔鏡手術への標準化が試行錯誤されている時代のさなかでした。今やロボット手術の時代となり,富山大学附属病院も2016年にロボット(ダ・ヴィンチ)を導入しました。私が医師になりたての頃には想像すらできなかった技術です。そんな私もロボット術者となり,現在では技術指導する立場となりました。しかし言うまでもなく当たり前のことですが,ロボット手術はひとりでは何も出来ず,多くの医療スタッフとともに協力しあわなければなりません。互いを尊重し,チームとして連携しなければロボット手術は成り立たないのです。厚生労働省も医療スタッフの協同,連携によるチーム医療を推進していますが,実は富山大学ではこのチーム医療を担うために必要なコミュニケーション能力を学生時代に知らず知らずのうちに育めているのではないかと私は思っています。富山大学は医学部医学科,看護学科,薬学部の医療系学部が同じ杉谷キャンパス内にあるので,クラブ活動や学祭などをはじめとした活動やイベントは杉谷キャンパス共同であり,医療系学部の学生同士が学業以外でも深く交流し活躍できる場が数多くあります。学生時代からチーム医療の礎となる医療系他学部生との交流を多く経験できることが,医療人としての成長を育む富山大学医学部の魅力のひとつではないかと思います。チーム医療の基盤が学生時代から自然と培われるのですから,現代医療の急速な進歩に直面しても,そしていかなる医療機関に身をおいたとしても,富山大学医学部卒の医師ならばチーム医療で力を発揮し活躍できるのは言うまでもないと思います。ぜひ我々とともに富山大学で学び,そして未来の医療を支える医師を目指しましょう!富山大学附属病院泌尿器科 診療准教授渡部 明彦(1997年 卒業)私が富山大学(当時は合併前で富山医科薬科大学の名称でした)に入学したのは,もうかれこれ30年前になります。埼玉県出身の私にとってはじめての一人暮らしでしたが,富山での学生生活は楽しくてしかたなかったことを覚えています。学生時代は講義,実習,試験の多忙さはありましたが,クラブ活動も盛んで友人らと気ままに時を過ごし,自由な校風も私にとって居心地がよかったのだと思います。大学教員となった今では講義や実習を通じての教育以外にも,学年をまたいだ縦割りグループも担当していますが,当時と変わらず現在の富山大学医学部の学生さんは学びに遊びに活き活きとしています。このパンフレットを手にとっているみなさんは,数ある医学部の中から富山大学への進学を考えてくださっているのだと思うと大変嬉しいです。私は埼玉県出身で富山には所縁はありませんでしたが,富山大学医学部医学科に合格させてもらい,富山にやってきました。学生時代は運動部と医療系サークルでの活動を盛んに行い,またバックパッカーとして頻繁に海外を旅していました。6年生の選択実習ではドイツで臨床実習を行いました。当時はさほど実感はありませんでしたが,今となっては本当に掛け替えのない経験ができたことを誇りに思います。大学卒業後,初期研修の2年間は富山大学附属病院を基幹として県内外の病院で研鑽を積み,その後東京都内の病院で3年間産婦人科の後期研修を行いました。医者のイメージと言えば,映画やテレビドラマで見るような判断力のあるかっこいい臨床医がすぐに浮かびますが,実際はそんなに華やかな世界ではありません。ガイドラインや過去の報告を元に,今現在自分が直面している患者さんにとってどのような治療がベストであるか,悩むことが多いです。このエビデンスはどこから作られているのだろう,経験的にはこの治療が良さそうだけれど本当にそれでいいのだろうか。日々の臨床の中で湧いてきた疑問への答えを求めるべく大学院への進学を決め,富山大学へ戻ってきました。基礎研究の世界は地味ですが非常に奥が深く,「新しい言語」の習得に似ています。一つのグラフを作るのにこれだけの時間と労力を要するのかと驚くことも多いですが,これまで自分が点で認識していたものが線で繋がり広がっていく感覚は,学問をしていくことの面白さだと感じています。さて,一度富山を離れて戻ってくると,富山はなんといいところなのでしょうと実感します。住みやすさ,ご飯の美味しさはもちろん,教育や臨床,研究のレベルを見ても他大学に引けをとりません。友人や先輩たちと話していても,富山大学で学べたことを誇りだと感じている人が多いです。富山大学だからこそできることがたくさんあり,また富山にいるからできないこともない,という風に感じています。医学部在籍中に基礎研究で学会発表をしたり,海外に臨床留学をすることもできます。アカデミックな面でもプライベートでも,充実した学生生活を送ることができますよ。みなさんぜひ,富山で医学を学びましょう。医学薬学教育部東西統合医学専攻博士課程4年(産科婦人科)森田 恵子(2012年 卒業)チーム医療の礎は富山大学杉谷キャンパスにあり富山大学でお待ちしています医学科先輩からのメッセージ

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