未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究
未来を拓く大学でありたい。富山大学では、学生の皆さんの未来を切り拓くような出会いを提供できる「おもしろい大学」づくりに取り組んでいます。ここでは、高度な専門的知識をわかりやすく楽しく、ワクワクとした期待感をもって受けられる授業や、ユニークである、あるいは革新的で社会からも高く評価されている研究などをご紹介します。
富山大学には人社芸術系から医薬理工系まで9つの学部がありますので、多様な取り組みが並んでいます。皆さんの興味をそそるような記事が見つかったらリンクを辿って、学部の教育内容や教員の研究活動に触れてみてください。「おもしろい」の語源には、「目の前が広々とひらける感じ」という意味があるといわれています(広辞苑)。
皆さんの未来を拓く出会いを、ぜひ富山大学で見つけてください!
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見えない「お化け」を可視化する
実は地理学なら、お化けすらも学問にすることができます。ここで、私が大学院の指導学生と一緒に行った研究を少しご紹介することにしましょう。
人文学部
鈴木 晃志郎 先生 -
朝鮮言語文化講読
朝鮮言語文化講読は、文字通り、朝鮮語で書かれた資料を読んでいく授業です。大学に入って朝鮮語を学びはじめ、朝鮮言語文化を専門にするようになった2年生と、さらにもう1年学修を重ねた3年生が中心です。
人文学部
上保 敏 先生 - 文化人類学フィールド演習(文化人類学実習)
40年以上の歴史をもつ富山大学人文学部の文化人類学研究室(正式名称は行動社会文化領域社会文化コース文化人類学分野)の最大の特徴は、フィールドワーク教育です。
人文学部
藤本 武 先生、野澤 豊一 先生 - ヘルン文庫蔵書調査から始まるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)研究(人文学部)
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は「耳なし芳一」など日本の伝承を世界に紹介した作家として知られていて、数多くの書物を収集していました。それが今日富山大学附属図書館に収蔵されているヘルン文庫です。私はこれらの書物に残された書き込みを解読しながら、ハーンの作品や思想にそれがどのような影響を与えているか解明を試みています。
人文学部
中島 淑恵 先生 - 「ソマリア」「ソマリランド」からロンドンへ移動/避難し暮らしている人びとの行動や自己認識についての研究(人文学部)
私の関心は、東アフリカにある「ソマリア」「ソマリランド」という国・地域の人びとや出来事、そしてそれらの場所から移動/避難し、イギリスの首都、ロンドンで暮らしている人びとの行動や自己認識にあります。
人文学部
須永 修枝 先生 - 富山大学でオリジナルの人工呼吸器を開発
芸術文化学部の林曉教授が、マサチューセッツ工科大学(MIT)が公開した簡易型人工呼吸器の情報をもとに富山大学で緊急用人工呼吸器の開発ができるのではないかと考え、工学系の研究者に制御プログラムの開発をお願いしたところ、工学部電気電子システム工学科の戸田英樹准教授が協力を申し出ました。
工学部、芸術文化学部
戸田 英樹 先生、林 曉 先生 - 英米言語文化講読Ⅱ(人文学部)
科目名が「講読」なので、「英語の本を訳読する授業?」と思われるかもしれませんが、実は扱うのは映画です。担当する赤尾は、アメリカ映画を研究しています。この授業では、映画に登場する人種的・性的マイノリティの人物について考察します。
人文学部
赤尾 千波 先生 - 線形代数演習(工学部)
個人的には、数学には理解するためにはコツのようなものがあって、そのようなコツを授業で教えるのが授業の役割だと思っているのですが、市販の教科書にはそのような著者なりの理解がざっくばらんに書かれたものが少ないように思います。(中略)そこで、この授業では市販の教科書は一切使わずに、担当教員が自作した講義ノートを使います。
工学部
玉木 潔 先生 - 重力波で宇宙を探る:KAGRAと富山大学(理学部)
岐阜県神岡に建設されたKAGRA(カグラ)には欧米からも注目される新たな雑音低減対策が導入されています。そのうちの一つが、検出器の最重要部品の一つであるサファイア鏡を約20K(-253℃)まで冷却することです。
理学部
山元 一広 先生 - 特別実習(「高岡クラフト市場街」プロジェクト実習)(芸術文化学部)
高岡中心市街地で毎年秋頃に開催される「高岡クラフト市場街」に参画することで、地域における「まちづくり」の仕組みやイベントの運営を学べる授業です。
芸術文化学部
有田 行男 先生、岡本 知久 先生、須田 久美子 先生 - 図画工作科教育論(人間発達科学部)
この授業は、小学校の図画工作科の授業を担当するために必要な知識や技能を獲得することを目的に開講しています。
人間発達科学部
隅 敦 先生 - マクロ経済学Ⅰ(経済学部)
マクロ経済とは何かといえば、一国(日本やアメリカなど)や一地域(富山県やEUなど)といった様々な人々や企業の集合体が作る経済のことを言い、マクロ経済学はそれらの経済活動に焦点を当てた学問です。
経済学部
本山 卓実 先生
- 飲む目薬の開発を目指した研究(薬学部)
現在、この「飲む目薬」の実現に向けて、網膜を治すことを目的として開発された新薬をどのようにしてこのパスを通させるかについての方法や、それを選定するための実験技術・評価法の開発などについて研究を進めています。
薬学部
細谷 健一 先生、久保 義行 先生、赤沼 伸乙 先生 - 自閉症スペクトラム児・者の適応的な社会生活を送るきょうだいの様相とその適応への要因 ‐青年期におけるきょうだいに対するインタビューの検討から‐(人間発達科学部)
この研究では、同胞が自閉症スペクトラム障害児・者であり、現在、適応的な社会生活を送っているきょうだいに着目し、そのようなきょうだいの様相と適応に影響している要因とについて明らかにするために、成人きょうだい3名に対するインタビュー調査を行いました。
人間発達科学部
水内 豊和 先生 - 創造ものづくり(工学部)
自転車、風車、工作機械などを題材とし、学生のアイディアを基にものづくりを行います。まず、自転車を解体して組み立てなおすことで、解体時の部品管理、組立作業の面白さや大変さ、自転車の仕組みについて学びます。
工学部
溝部 浩志郎 先生 他 - 薬学経済(薬学部)
授業名は「薬学経済」。薬学と経済が関係あるの?と思うかもしれません。この授業では、富山大学、主に薬学部を卒業した先輩方を講師としてお迎えしています。実体験に基づいた仕事の紹介やいろいろなメッセージ、講師とのディスカッションは貴重な経験です。
薬学部
友廣 岳則 先生
- 高齢社会のQOL(生活の質)を向上させる機器開発(工学部)
工学技術は日常生活において身近かつ必須な存在であり、様々な新しい開発技術はQOLを向上させ、私たちの社会や暮らしを豊かにします。システム制御工学研究室では、高齢者や介護者への工学的支援を目的とした高齢社会のQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる機器開発を行っています。
工学部
中島 一樹 先生
- 「手で考えて身体でつくる」-デザイン/ビルド建築教育に関する研究(芸術文化学部)
建築は「衣・食・住」の「住」を担い、人間生活の場をつくるものです。それは仮想世界ではなく、質感、大きさ、匂い、感覚のある五感に訴える実在する空間です。つまり、それらを学ぶには、頭で考えるだけでなく「手で考えて身体でつくる」ことを忘れてはなりません。
芸術文化学部
萩野 紀一郎 先生 - 主体的な学びを培う教師のコンピテンシー(教職実践開発研究科)
おもしろい授業とは何でしょう?
それは、一人ひとりの主体的な学びにつながる授業であると思います。では主体的な学びとは一体何でしょう? これについて学ぶ、それが本授業なのです。
教職実践開発研究科
竹村 哲 先生 - 漢方薬に含まれていた免疫活性化ナノ粒子の発見(和漢医薬学総合研究所)
漢方薬は生薬を熱水で煎じることにより作製されることが多く、これは製剤学的には、煎剤という剤型に分類されます。製剤学の原点は目で見ること。筆者は漢方薬研究で初めての独創的な試みとして、漢方薬(生薬煎じ液)を電子顕微鏡で観察した結果、各種生薬の煎じ液中に、ナノ粒子が多量に存在していることを発見しました。
和漢医薬学総合研究所
小泉 桂一 先生 - 小学校におけるプログラミング教育の授業実践と評価(教職実践開発研究科)
2020年4月から、小学校におけるプログラミング教育がスタートしました。算数や理科ではプログラミングを取り入れた学習が教科書にも取り上げられています。例えば、プログラミングにより正多角形を作図することなどです。しかし私たちは、プログラミング教育に関わる学習活動をもっとたくさん提案していくことが必要と考えました。
教職実践開発研究科
長谷川 春生 先生
以上の他、定期的に紹介していきます。