富山大学和漢医薬学研究所の早川芳弘教授の研究グループが、がん免疫応答における自然リンパ球であるナチュラルキラー細胞の新たな機能を解明

 和漢医薬学研究所の早川芳弘教授の研究グループは、がん免疫応答における自然リンパ球であるナチュラルキラー細胞の新たな機能を解明しました。
 ナチュラルキラー(natural killer: NK )細胞は、事前の感作なしにがん細胞を殺すことができる細胞として発見された自然リンパ球の一種です。NK細胞はがん細胞やウィルス感染細胞などの排除に重要な役割を担っていることが広く知られています。
 今回、このNK細胞の新たな機能としてがん細胞を直接攻撃するのみならず、がんの悪性化に関わる血管新生と呼ばれる生体応答を、炎症性細胞の好中球の機能制御を介して調節していることを初めて明らかにしました。
 また、NK細胞の機能低下・不全にともない見られるがん細胞増殖は、悪性化した好中球を抗がん剤で制御することによって抑制可能であることも示しました。 多くのがん患者においてNK細胞の機能低下や不全が見られることから、今回の成果を応用した新しいがん治療へとつながる可能性があります。
 この研究成果は、この研究成果は、2018年1月24日付けの米国科学誌「Cancer Immunology Research」(論文名:NK cells control tumor-promoting function of neutrophils in mice)に掲載されました。

プレスリリース [PDF, 279KB]