生物学科・前川 清人准教授らの研究グループが、シロアリの兵隊分化の鍵遺伝子を発見

  富山大学大学院理工学研究部(理学)の 前川 清人 准教授と大学院理工学教育部の増岡 裕大 氏(現 日本学術振興会 博士後研究員)らの研究グループは,基礎生物学研究所の 重信 秀治 特任准教授らと共同で,シロアリの兵隊分化を調節する因子の特定に成功しました。本研究では,次世代 DNA シーケンサー(大規模塩基配列解読装置)とよばれる技術を用いて,原始的なシロアリ(ネバダオオシロアリ)の兵隊が分化する際に働く遺伝子を網羅的に解析しました。その結果,動物で保存されている細胞増殖経路(TGFβ シグナル)に関係する遺伝子が,兵隊への脱皮と武器の形成に重要な働きをもつことが明らかになりました。得られた知見に基づいて,シロアリが兵隊を進化させた背景に関する新たな仮説を提唱しました。
 本成果は,米国の国際科学雑誌「PLoS Genetics(オンライン版)」に掲載されました。
 

プレスリリース [PDF, 404KB]