帝王切開での出生と乳児期の便秘は関係が無い(エコチル調査より)

 富山大学附属病院周産母子センター センター長 吉田丈俊特命教授らのグループは、帝王切開と通常の分娩で産まれた子どもの便秘傾向を調べたところ、帝王切開だったからといって便秘をおこしやすくなることはないことを「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」から明らかにしました。

 これまで、帝王切開で産まれたお子さんの腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)は、通常の分娩で産まれたお子さんに比べて、菌の多様性に欠けるという報告がありました。また、慢性の小児便秘に腸内フローラが関与していることも知られていました。これらのことから、帝王切開で産まれたお子さんは腸内細菌の多様性が少ないことが原因となり便秘になりやすいという仮説を立て、エコチル調査に参加している約83,000人のお子さんを対象に1歳時の便通を評価しました。

 このような大規模の人数で、小児の便秘の起こりやすさについて検討したのは世界初です。

 この研究成果は医学系専門誌「BMC Research Notes」に2018年12月12日付で、オンライン掲載されました。

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