子供の運動不足に、社会環境の要素、家庭環境の要素、子供自身の生活習慣の3つの要素があると解明

富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門は、 富山県教育委員会との連携事業として実施された文部科学省スーパー食育スクール事業の追加調査を行い、子供の運動不足に社会環境の要素、家庭環境の要素、子供自身の生活習慣の3つの要素があると解明しました。

今回の調査では、高岡市内の5つの小学校に通う1年生から6年生までの全児童2129名を対象として、平成28年1月に家庭の社会経済環境、親子の生活習慣などに関するアンケート調査を実施しました。回収数は1987名(回収率:93.3%)で、そのうち1721名を分析対象としました。澤聡美講師と関根道和教授らが分析しました。

その結果、運動不足の子供の特徴として、「仲のよい友達がいない」、「2時間以上のメディア利用がある」、「母親の生活習慣が良くない」、「親とのコミュニケーションが少ない」という特徴があることが分かりました。以上から、子供の運動習慣の背景には、3つの要素(①社会環境の要素、②家庭環境の要素、③子供自身の生活習慣の要素)があるといえます。今後の子供の望ましい運動習慣づくり進める上で、親の望ましい生活習慣づくりを含めた親子の健康教育が必要と考えられます。

調査結果は、9月14日に日本衛生学会の英文誌Environmental Health and Preventive Medicineに掲載されました。子供の運動習慣の健康への影響に関する研究は多数ありますが、運動習慣の背景にある家庭環境や社会環境に注目した研究は少なく、貴重なデータと考えられます。

プレスリリース [PDF, 283KB]