妊婦の血中カドミウム濃度と児の出生時体格の関連について(子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)での研究成果)

国立大学法人富山大学(以下「富山大学」という。)のエコチル調査富山ユニットセンターの研究チームと国立環境研究所が共同で、約2万組の妊婦とその出生児を対象に、妊娠中の母親の血中カドミウム濃度と新生児の出生時体重、身長、頭囲及び胸囲との関連について男女別に調べました。妊娠後期(28〜40週)の血中カドミウム濃度を濃度が低い順に4つのグループに分けて解析した結果、女児の中で最も低いグループに比較して濃度が最も高いグループではSGA()となる出生児が1.9倍多かったことがわかりました。

妊娠後期の血中カドミウム濃度が高いと、低い場合と比べて胎児の成長が抑制される可能性が示唆されますが、本研究の結果から断言できるものではありません。

本研究の成果は、令和2年9月20日に環境保健の国際専門誌である「Environmental Research」に掲載されました。

(注)SGA
small-for-gestational-ageの略で、新生児の出生体重が、在胎週数に見合う標準的な出生体重に比べて小さい状態を指します。在胎週数毎のグループで100人中小さいほうから10番目以内に入る場合にSGAとみなされます。

プレスリリース [PDF, 705KB]