ノーベル化学賞受賞者 田中耕一特任教授による特別授業(講義)を開催

2020年10月19日(月)、富山大学杉谷キャンパスにおいて、2002年にノーベル化学賞を受賞された田中耕一氏(株式会社島津製作所エグゼクティブ・リサーチフェロー/富山県出身)による特別授業を実施しました。

同氏は2018年4月に富山大学及び富山県立大学の「特任教授」に就任しており、富山県の協力のもと、2018年5月に主に両大学の学生を対象とした特別講演を実施した後、両大学において年に1回特別授業を行っています。3回目の特別授業となる今回は授業概要を「様々な分野に用いられている質量分析の基礎及び最新の応用を概説」とし、参加者数を新型コロナウイルス感染防止のため例年の半数程度にして実施しました。

授業では、まず、質量分析の基礎について実験結果を踏まえた詳しい解説がありました。レーザーイオン化質量分析の活用について、最も使われているのは感染症対策であること、新型コロナウイルス流行前から活用されていたこと、医学や薬学分野のみではなく、工学や考古学、美術など多岐に渡って活用されていることが説明されました。また、質量分析の最新の応用については、呼気の質量分析による新型コロナウイルスの検出、アルツハイマー病変の早期検出が挙げられ、早期の実用化に期待が寄せられていました。

理解が難しい部分については高校理科のレベルから説明するなど、学部生から大学院生まで理解しやすい内容であり、参加者から好評でした。

また同氏の「失敗が成功・発見につながった」、「異分野の知恵を融合し、新たな発見を求めていく」という言葉に多くの学生が感銘を受けていました。今後、各自それぞれの学修・研究に活かされることが期待されます。

  • 講義をされる田中先生①
  • 講義をされる田中先生②