建築士受験資格に係る証明書の誤発行について
このたび、芸術文化学部において、平成22年度卒業生の一部に建築士受験資格に係る証明書を誤発行したことが判明しました。
当該証明書は、芸術文化学部芸術文化学科造形建築科学コース(建築分野)の課程を修めて卒業した者に対し、修得した要件単位に応じ、一級建築士、二級建築士及び木造建築士の受験資格を証明するもので、
今回の誤発行は、本来は、二級建築士及び木造建築士の受験資格証明書(卒業後2年以上の実務経験を必要とする。)を発行すべきところ、一級建築士(実務経験2年以上)、二級建築士及び木造建築士(実務経験0年)の受験資格証明書を発行したものです。
誤って発行した証明書の受領者は5人です。内1人は、二級建築士の試験を受験し合格し、免許を交付されていました。他の4人については受験していませんでした。
本件は平成24年3月7日に判明しましたが、判明後に事実関係の調査・確認並びに再発防止策の検討を行っていたため、本日の発表とさせていただきました。
本学では、適正な事務手続きを行うよう徹底してきたところではございますが、このような事態を招いたことは極めて遺憾であり、関係者の皆さまに多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
今後は再発防止に向けて業務実施体制の見直しを図り、富山大学の信頼回復に努めて参る所存です。
平成24年7月13日
富山大学長 遠藤 俊郎
1. 富山大学芸術文化学部が認定を受けている 一級建築士試験、二級建築士試験及び木造建築士試験の受験資格
区分 | 学科 | 履修コース | 必要単位数 | 取得できる受験資格 | 卒業後に必要な 実務経験年数 |
---|---|---|---|---|---|
(1) | 芸術文化学科 | 造形建築科学コース | 芸術文化学部規則別表Ⅲに定める科目のうち 必修28単位 選択52単位以上 |
一級建築士受験資格 | 実務経験2年以上 |
二級建築士及び 木造建築士受験資格 |
実務経験0年 | ||||
(2) | 造形芸術 デザイン工芸 デザイン情報 造形建築科学 文化マネジメント の各コース |
芸術文化学部規則別表Ⅳに定める科目のうち 選択8単位以上 |
二級建築士及び 木造建築士受験資格 |
実務経験2年以上 |
2. 判明の経緯
芸術文化系学務グループで平成24年3月の卒業生に対し二級建築士受験資格の証明書を発行しようとしたところ、必要単位数が不足していた学生がいたことから、昨年の卒業生(平成23年3月卒業生)に発行した証明書の決裁書類を見直してみたところ上記1の区分(1)に係る必要単位数が不足していた者がいたことがわかり、誤った証明書を発行したことに気付いた。
確認の結果、平成23年3月23日に建築士試験受験資格の証明書として上記1の区分(1)に係る卒業証明書を14人に発行していたが、そのうち5人は区分(1)に係る必要単位数が不足していたことが平成24年3月7日に判明した。
3. 誤発行した5人への対応
誤発行した5人に対しては、訪問し、謝罪を行い、間違って発行した証明書を返却してもらい、正規の証明書を発行した。
大学から改めて発行した証明書(卒業後2年の実務経験で受験が可能となる卒業証明書及び単位取得証明書)により、2年の実務経験後に二級建築士の受験が可能である。
4. 再発防止のための改善策
- 所掌する各業務における「業務の流れ」「手続き」等において、引き継ぎを確実に行い、併せて、チェックリストやマニュアル等の文書化を進める。
- 証明書等の発行の際は、起案書に根拠法令、成績証明書等、証明内容の正誤が確認できる必要関係書類を添付し、複数人によるチェック体制を再整備する。
- 「証明書交付願」の様式を、学生・卒業生等申請者並びに事務担当者が自己確認できるよう、わかりやすい様式とする。
- 学生や教職員に配布する「履修の手引き」は、誤解を招かない、わかりやすい手引きとする。
- 学生へのオリエンテーション及び指導教員による指導・助言等により、資格取得に係る諸手続についての周知を図る。
以上