富山大学発 放射線に関する情報発信 シンポジウム
「トリチウムについて知ろう!-トリチウム科学の最先端-」を開催しました
2014年12月13日(土)、富山大学五福キャンパス 理学部2階・多目的ホールにおいて、富山大学発 放射線に関する情報発信の一環としてシンポジウム「トリチウムについて知ろう!-トリチウム科学の最先端-」を開催しました。 悪天候にもかかわらず県内の各地より聴講者が訪れ、一般市民の方々、大学教職員および学生を合わせ、100名以上の参加がありました。 最初に、遠藤俊郎学長より、開会の挨拶として本シンポジウムの開催趣旨等について話があり、次いで富山大学水素同位体科学研究センターの松山政夫センター長から水素同位体科学研究センターの生立ちが簡単に紹介されました。
続いて、放射線医学総合研究所・放射線防護研究センターの酒井一夫センター長より「放射線の人体影響と放射線防護の考え方」と題した基調講演がありました。酒井一夫センター長は、放射線による人体影響についての基礎的理解を深めるために、放射線独自の単位の話から始まり、人体影響の分類やその内容、および放射線防護に関わる国際的枠組みや防護体系等について詳細に講演しました。
引き続いて第1部の講演では、富山大学水素同位体科学研究センター 原 正憲准教授が「トリチウムの性質・特徴」と題し、トリチウムの生成、物理的・化学的性質、測定方法など、トリチウムの基礎的事項について解説を行いました。次に、「エネルギーとトリチウム」と題し、富山大学水素同位体科学研究センター 波多野 雄治教授が、なぜ福島第一原子力発電所の汚染水中にトリチウムが存在しているのかという説明に始まり、事故以前のトリチウムについて、および、将来のエネルギー源としての可能性について講演しました。
第2部では、環境科学技術研究所 柿内秀樹研究員が、「環境中のトリチウム」と題し、 植物に含まれるトリチウム濃度から空気中のトリチウム濃度を推定する方法などを挙げ、環境中のトリチウムの挙動について解説されました。続いて、茨城大学理学部 田内 広教授が、「トリチウムの生体影響」と題して、低濃度かつ少量のトリチウムによって生物影響が現れることがあるのかどうか等、身近な例を用いて大変わかりやすく説明されました。
来る1月20日(火)には、富山大学発 放射線に関する情報発信特別講演会「震災から4年目を迎えて 福島の今・未来・放射線で診て、治す」を開催します。
- 会場風景
- 放射線医学総合研究所・
放射線防護研究センター酒井 一夫センター長
- 富山大学水素同位体科学研究センター
原 正憲准教授 - 富山大学水素同位体科学研究センター
波多野 雄治教授
- 環境科学技術研究所
柿内 秀樹研究員 - 茨城大学理学部
田内 広教授