国際シンポジウム「北朝鮮脱出者の文学活動と韓国文壇」を開催

 富山大学人文学部朝鮮言語文化研究室では、国際シンポジウム「北朝鮮脱出者の文学活動と韓国文壇-「脱北者」による記録文学の現状と課題-」を10月1日に開催しました。この国際シンポジウムは、北朝鮮から政治的・経済的事由で脱出した「脱北者」のうち、作家活動を通じて韓国社会へと定着して行こうとする3名(イ・ジミョン氏、ト・ミョンハク氏、ソル・ソンア氏)と、彼らと共同で作品集を刊行する等受け入れ活動をする韓国作家、方珉昊(パン・ミンホ)氏を招聘し、朝鮮半島の文学を専門とする人文学部 和田とも美 准教授をオーガナイザーとして、講演及び公開討論を行ったものです。
 講演では「脱北者」が自らの作品について紹介し、討論では北朝鮮に関する専門家を中心とした約10名の来場者から創作意図について質問が出され、忌憚のない意見交換を通じて、「脱北者」が韓国で作品を発表する際の題材選択や表現方法の困難が明らかにされました。これは世界で難民が移住地で定着する際の困難と相通ずるもので、今後も注視すべき課題です。
 このシンポジウムは、「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(特色型)」事業の取り組みの一環として開催されました。

講演者と触れ合える位置で講演に聞き入る聴衆
講演者と触れ合える位置で講演に聞き入る聴衆

脱北者作家3名とオーガナイザー
脱北者作家3名とオーガナイザー