平成23年 年頭挨拶

「平成23年は富山大学の本領発揮の年」

富山大学の教職員、学生・院生及びご家族の皆さん、明けましておめでとうございます。
平成23年の元旦は、北陸地方の風物詩・降りしきる雪もなく、穏やかに明けました。皆さんはそれぞれのご家庭で、久しぶりにゆっくり過ごされたことでしょう。「始めよければ」の諺にもあるように、私には今年は希望に満ちた、明るい年になる予感がいたします。

まず、明るいニュースからお知らせします。昨年末の24日に平成23年度政府予算案が閣議決定されました。大学関連予算は前年度比531億円増の1兆7923億円と決まり、6年ぶりの増額となりました。懸案の国立大学法人運営費交付金は、平成16年4月の国立大学の法人化以降、毎年約1%ずつ減額されてきましたが、23年度政府予算案では1兆1528億円と、0.5%の減額にとどまりました。減額分と同額の58億円が新たに国立大学法人教育研究特別整備費として計上されたため、総額では前年度と同程度となる見込みです。また、注目されていた科学研究費補助金も2633億円と前年度比32%増という、かつてない増額となりました。

これまで、運営費交付金、科学技術関連予算は大幅な減額が予想されていましたが、現時点では本学の教育・研究・地域貢献に対する影響が小さいと思われます。このような結果は、本学の全構成員及び同窓会連合会や関係者の皆様にご協力いただいた「パブリックコメント」への意見表明の成果と考えております。また、全国の国立大学や国立大学協会等が政府、地方自治体をはじめ、政治団体、産業界、各種学会等へ度重なる陳情を行った点も忘れてはなりません。ここで、関係各位に厚くお礼を述べたいと思います。

平成22年4月から、第2期中期目標期間がスタートしておりますが、平成23年度は、富山大学が地域社会の発展のため、「強力な牽引役を担うスタートの年」と、私は考えています。云うまでもないことですが、旧富山大学、富山医科薬科大学、高岡短期大学は開学以来、地域社会の発展のために大きな役割を果たしてきました。とはいうものの、近年の財政難(国レベルでの国債残高は約1000兆円)、地域産業の空洞化、地域医療体制の脆弱化、少子高齢化と人口減少の顕在化等の様々な総合的問題により、それほど遠くない時期に、地域社会は周縁都市部からメルトダウンするのではないかともいわれています。このような地域社会存立に関わる総合的な問題は、従来型のゆるやかな産学官連携では解決できないと思われます。地元産業界、地方自治体、地方大学が明確な地域目標を共有して、それぞれがもつ機能を融合しながら問題の解決に当たる以外にないと思われます。その意味で、地域社会の発展にとって、富山大学の持つ教育・研究・地域貢献の3機能は不可欠な要素です。

かつて、「明治維新」に始まる変革期では、帝国大学をはじめとする戦前の高等教育機関が優秀な人材を輩出し、日本の近代化等の課題解決に大きな力を発揮しました。また、「戦後」の変革期では、各県毎に新設された新制大学が戦後復興や高度成長に大きく貢献しました。そして、現在の「平成の変革期」にあっては、法人化された地方国立大学が率先して現代の課題に挑戦すべきです。つまり、富山大学は地元産業界、地方自治体と共に明確な地域目標を共有して、教育・研究・地域貢献の3機能を本格的に発揮して地域社会を牽引する出発点に立っている、まさに好機到来の年と云えます。

皆さんにとって、新たな平成23年が良き年であることを祈ります。

平成23年1月4日
富山大学長 西頭 德三