2013年を行動の年とする(2013年 年頭挨拶)

富山大学長 遠藤 俊郎

2013年、明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって幸多い、充実の年となることを願っております。今我が国は、政権交代による新しい経済刺激政策の導入により、閉塞感の強い社会状況からの脱却に期待が高まっています。しかし、その動きが発展的将来にどのような形でつながるかは尚不透明であり、だからこそ我々一人一人がどのように考え、行動するかが問われています。

富山大学は、明年2014年に新川県師範学校の開設より数え創起140年、そして3大学統合10年目の節目の年を迎えます。法人化に加え統合という難題を同時に抱えた本学の現状は厳しく、安穏とした姿勢で対応できる状況にはありません。歴史と伝統を継承し、時代の変化に負けぬ自力を培っていくことが、我々富山大学に今正に求められています。
学長を拝命して1年10ヶ月、理事・役員・部局長ならびに多くの教職員皆様のご尽力やご支援に支えて頂き、一方で私は何を為すべきか、何ができるのか、悩みながら過ごしてきました。新しい年の年頭に当たり、知識、経験も乏しい未熟な私をこれまで支えてくださった皆様に改めて感謝するとともに、任期後半の2年余を富山大学の前進、発展のため全力で尽くすとの思いで行動することを肝に銘じています。

2011年11月、皆様とともに「富山大学機能強化プラン-CHALLENGE 2014-」を作成し、「可視化・連携・行動」をプラン実行のための3ステップとして提示いたしました。教育・学生支援、研究、社会貢献、大学運営の各部門で、進捗状況はそれぞれ異なりますが、課題解決に向けた多様な検討、実践が進められてきました。
一例をあげれば、法人化した国立大学運営の基盤となる予算・決算・財務状況について、これまで不透明であった全学的情報を皆さんと共有できるレベルに「可視化」することで、実効的運用の体制整備、実践が可能となりました。我々の抱える課題や問題点について、全学の皆さんは総論としてはほぼ理解されていると存じます。
今求められるのは、既成概念にとらわれることなく、新しい将来展望を視野に持った、各論レベルでの課題解決への取り組みであります。議論・審議をくり返しているだけでは、大学の機能・運営に求められる変化や改善を実現することはできません。2013年を『行動の年』と位置づけます。

行動では6つのWとひとつのHが必要と言われます。「なぜ、何を、いつ、何処で、誰のために、誰が、どのようにしてやるか」です。常に鍵になるのは、『誰がやるか』です。それは大学構成員全員の役割であり、責務ではないでしょうか。教職員の皆様には、各々の役割は異なっても、富山大学の継続と発展のため、自身の責務は何か、役割を果たすため何を為すか、各々が考え行動して頂くことを熱望いたします。

考えて決まらなければ行動しないではなく、先ず行動し、行動しながら考え前進する姿勢も必要と考えています。
行動の目標としては、常に世界を意識していきましょう。教育では世界で活躍できる人材を育てるカリキュラムや支援体制の構築、研究では世界レベルで評価される結果やそれに向けたプロセス・努力の見える形、社会貢献でも世界をターゲットにする視野をもった取り組みを目指しましょう。一方で予算は限られ、過去の時代に行われた拡大方式ではない、新たな発想・方策での対応も求められています。体制、組織の整備・運用では、必要なことを選択し基盤を固め、更なる力の展開・集約は個別に考える柔軟性も必要です。具体的には、全学・学部における教養・基礎専門教育カリキュラムの再構築、研究実施・支援体制の推進、事務組織の再編、富山県大学コンソーシアムの推進など、取り組むべき課題は山積しています。特に研究・社会貢献については、個々の研究者のパワーと連携が成果を生み出す根源であり、教職員の皆様の益々のご奮闘そしてご発展を願っています。部局を超えたプロジェクト研究や若手の研究について積極的に予算支援いたします。
また私は、学生・人材の育成が大学の果すべき最大の使命であり、全学的に取り組まねばならぬ課題と考えています。その実現にむけ「共通教育センター・国際教育センター」を核とする教養共通教育の全学的整備・推進を今年度の最重要課題として、全力で取り組みます。

3大学統合10年を前にして、大学を取り巻く様々な状況を考える時、2013年は富山大学の将来にとって極めて重要な年となります。皆様とともに、行動、前進し、発展の年といたしましょう。どうぞ宜しくお願いいたします。