平成26年度9月期 学位記授与式 告辞

告辞

 本日、平成26年度9月期学位記授与式において、海外からの留学生25名を含め、学部卒業生13名、大学院修士課程修了生20名、同じく博士課程修了生15名、そして論文博士4名、合計52名の皆さんに学位記を授与いたしました。卒業生、修了生の皆さん、ご家族の皆様、そしてご指導下さった教職員の皆様、ご卒業誠におめでとうございます。富山大学を代表して、皆様に心よりお慶びを申し上げます。

 近年の科学・情報技術の発展は実に目覚ましく、それに伴って社会構造や人々の価値観は世界規模で大きく変化しています。世界の国々や企業は、その活躍の場を地球規模で展開し、個々の独自性・優位性を創出し、拡大することを激しく競い合っています。また地球環境には様々な問題が顕在化し、近年頻発する自然災害には不安を覚えます。このような変化のなかで、これまで繁栄や安定を疑うことのなかった日本社会も、様々な歪みや混乱が生じ、解決に向けた新たな取り組みが行われています。
 人は生きる時代を選ぶことはできません。一方で、これまでの歴史が示すように、人類はいかに厳しい時代においても、常に不合理を修正・克服し、挑戦し、新しい時代を創出し、発展の歴史を重ねてきました。そして、これからの発展の歴史を築いていくのは、新しい感性、価値観を持つ皆さん若い世代です。

 新しい時代の主役となる皆さんに、一人の人間として、そしてそれぞれの領域のプロフェッショナルとして、大切にしてほしいと考えることを3点申し上げます。

 第1点「自己のためにではなく、周りの人さらには世界の人々のため、皆さんは何ができるのか、どのように貢献できるのか、その気持ちを常に持ち続けてください。」
特にプロフェッショナルは、自己の専門的知識、技量を発揮し、自らが所属する組織や社会全体へ貢献することが責務であることを忘れないでください。

 第2点「プロフェッショナルとしての責任を常に果たせるよう、日々研鑽・努力を重ね、知識・技量の向上・維持を果たしてください。」
特にそのプロセスに於いて、皆さん一人一人の独創性、創造性を大切に育んでください。近年のコンピュータ技術の発達普及により、データの収集・整理能力は飛躍的に向上し、人としての知識獲得や創造力育成の課程・結果にも大きな変化が生まれました。しかしそうしたデータは、全てが過去の知識やヒントであり、新しい発見や創造はその先にあることを忘れないでください。あなたにしかできない、あなただけの何かを生み出すことに挑戦してください。

 第3点「人との出会い、直接の会話・ふれあいを大切にしてください。」進歩・改革の時代だからこそ、 様々な人と出会い、思いを共有し、互いに学び、教え、競い合い、助け合い成長してください。プロフェッショナル同士が、専門領域を越えて他者に敬意をもち、ともに努力を重ねる時、その力は相乗的に高まります。

 さて、皆さんが学んだ富山大学は、2005年に全国で唯一の3大学再編・統合により誕生し、今年で9年目を迎えた大型総合大学です。新しい業績や情報を世界に発信するNational centerとして、同時に地元に貢献できる知財と人材を提供するRegional Centerとして、その役割を果すため、既存の形を修正・改革しつつ、発展の歴史を創出する努力を続けています。皆さんも同窓生として、今後とも富山大学発展のための行動、支援を継続していただけるようお願いいたします。

 皆さんは今、人生の新たなスタートラインに立っています。厳しい時代だからこそ、夢を持ち前へ進んでください。挑戦してください。皆さんの輝かしい未来を祈念し、学長告辞とさせていただきます。

平成26年9月26日
富山大学長 遠藤 俊郎