シンポジウム 「越境するナラティブ―他/多言語による文学は何を紡ぐか―」
開催日時
2026年2月14日(土) 13:00~17:00
開催場所
富山大学人文学部 人文学部棟3階 第6講義室 (富山市五福3190)
概要
移民の増加、戦争や迫害による難民問題、グローバル化や多文化共生など、現代社会は一国の枠組みでは捉えきれない課題に直面しています。こうした社会の変動に伴い、文学のあり方もまた、単一言語による「国民文学」という枠組みにとどまらなくなってきました。国境を越えた移動や移民、戦争や迫害の記憶などを背景に、複数の言語や文化のあいだで生み出されてきた文学は、現在、世界各地であらためて注目を集めています。本シンポジウムでは、人々の「ナラティブ(語り)」が国境や文化、言語を越えて伝わるとき、何を喪失し、何を継承し、何を生み直してきたのかを検証します。
当日は、6名の研究者がそれぞれの専門分野の立場から、アメリカ大陸、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、あるいは特定の地域や国家の枠組みに収まりきらない人々や集団におけるナラティブのあり方について発表します。具体的には、比較文学・ポーランド文学を専門とする西成彦氏(立命館大学名誉教授)による「旅するひと、旅する言葉」、ユダヤ系アメリカ文学を専門とする秋田万里子氏(富山大学)による「消えゆくものに息を吹き込む――『ヒストリー・オブ・ラブ』における翻訳と継承」、現代フランス文学を専門とする中里まき子氏(岩手大学)による「シュヴァルツ=バルトの小説が伝えるユダヤ人の記憶と黒人の記憶」が行われます。さらに、フランス語圏文学・思想を専門とする福島亮氏(富山大学)が「環大西洋アフリカ人強制移送(DTS)の記憶――アフロトロープを手がかりに」と題して発表し、日系アメリカ文学を専門とする水野真理子氏(富山大学)が「日系アメリカ文学史の再考――こぼれ落ちた文学活動を問い直す」を報告します。加えて、日本近現代文学・出版文化史を専門とする日比嘉高氏(名古屋大学)が「越境する文学は何に支えられていたのか――帝国日本の出版文化から考える」と題した講演を行います。
本シンポジウムを通して、文学という営みを手がかりに、「越境」が不可避な現代社会における他者との共存や、記憶の継承・再構築の問題について考える新たな視座を提示することを目指します。文学、他/多言語、人種・民族、移民・難民問題、記憶の継承などに関心をもつ学生、教員、一般の方々の来場を歓迎します。
問合せ先
富山大学人文学部 秋田研究室
- TEL: 076-445-6131(人文学部総務担当)
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