未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究

日本史演習

掲載内容は当時のものです。

私は、木曾義仲(1154生~1184没)や承久の乱(1221年)など、平安時代後期~鎌倉時代中期(12~13世紀)頃の武士や上皇・貴族を研究しています。

子どものときから日本史が好きで、祖母と一緒にテレビの時代劇を楽しみ、親と一緒にお寺にお参りして仏さまに見惚れ、『まんが日本の歴史』を愛読していました。

大学で学ぶ日本史学が、こうした少年の頃の歴史愛好と大きく異なるのは、昔の人が残した「史料」を自分で読解することの大変さと面白さにあると思います。

平安~鎌倉時代の史料の多くは、昔の人が筆で書いた文字を近現代の研究者が活字にしてくれています。それでも、当時の日記や古文書はほとんど漢文で、彼等の約束ごとや血縁関係・地名などを知らないと内容が把握できないので、辞書や地図・系図・先行研究、別の史料などを何度も調べる必要があります。

そんな作業を積み重ねていくと、読めなかった文章が読めて、点だった知識が線となり、面となることが実感できます。従来当たり前のように言われている理解をくつがえす事実に出会うこともあります。また、ひと言ではとうてい説明できない複雑な実態があったこともわかってきます。

受講生の皆さんには、まず私の専門に近い時代の史料で漢文や辞書に慣れてもらい、やがて、それぞれの関心に即した史料をしっかりと読んでもらうことにしています。

  • 教員名/長村祥知
  • 学部/人文学部
  • 対象/2、3年生