未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究

ドイツ語コミュニケーション(会話)I

掲載内容は当時のものです。

この授業は、人文学部のヨーロッパ言語文化コースでドイツ言語文化を専攻する2年生向けのものです。ほとんどの学生にとって、ドイツ語は大学で初めて学ぶ外国語なので、受講者は教養教育で1年間ドイツ語の基礎を学んだ人たちです。

授業ではドイツで作られた教科書を使用します。場面ごとに多数の練習問題が準備されていて、基本的な言い回しや重要単語を自然な感じで繰り返し学習でき、ネイティブスピーカーの教員(私のこと)とのやり取りを重ねていくうちに、ドイツ語を聞いたり話したりする力が無理なく身についていきます。

と、これでは何の変哲もない会話のレッスンですが、この授業のおもしろいところは人形劇を会話の練習に取り入れている点です。

人形を手にした学生たち

人形劇の一場面

私は演劇の研究をしており、俳優活動の経験もあります。なんと日本の狂言も演じたことがあるんですよ。富山大学で教えるようになった当初は、ふつうの芝居を会話練習に用いていましたが、恥ずかしがり屋の多い日本人には人形劇の方がより適していると考え、ここ数年はグリム童話等のメルヘンを題材とした人形劇を使っています。人形劇の舞台、照明装置、さらには黒子の被り物まで、大道具・小道具も次第に充実してきました。

ただ残念ながら今年度(2020年度)はCOVID-19のせいで、前期の授業がリモートになったことに加えて、毎年上演の場としている金沢大学との合同ドイツ語合宿(通例6月)が開催できず、そのため人形劇も取り止めにせざるを得ませんでした。また人形劇を練習し、そして上演できる日が早く戻ってくることを願っています。

金沢大学との合同ドイツ語合宿での上演の様子。奥の右端が私。