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重力波で宇宙を探る:KAGRAと富山大学

掲載内容は当時のものです。

重力波はおよそ100年前にアインシュタインが予言した時空のさざ波です。アメリカの重力波望遠鏡LIGO(ライゴ)が初めて重力波を捉えたことが2016年2月に世界中で大きなニュースとなり、LIGOのワイスさん、ソーンさん、バリッシュさんの3人が2017年のノーベル物理学賞を受賞しました。その後の4年間の重力波の観測によって宇宙の謎が次々と明らかにされましたが、さらに深く遠くまで宇宙の謎に迫るために、より性能が高い(雑音が小さい)重力波検出器が求められています。

岐阜県神岡に建設されたKAGRA(カグラ)には欧米からも注目される新たな雑音低減対策が導入されています。そのうちの一つが、検出器の最重要部品の一つであるサファイア鏡を約20K(-253℃)まで冷却することです。

富山大学ではKAGRAの性能向上を目指したサファイア鏡の研究を推し進めており、2019年から液体ヘリウムを使用した鏡の性能評価実験を開始しました。これは国際共同研究の一環で、理学部4年生がイタリアのカメリーノ大学に1カ月留学するなど、次世代の研究者育成も含めた活発な研究活動が行われています。また、地球物理学的方法(例えばチバニアンで有名になった磁気測定)を用いた鏡の評価や、レーザー光によって発生する低温サファイア鏡の振動を解消する技術など、世界に先駆けた研究を行なっています。

国内外の仲間とともに宇宙の謎に迫ってみませんか。