未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究

「ソマリア」「ソマリランド」からロンドンへ移動/避難し暮らしている人びとの行動や自己認識についての研究

掲載内容は当時のものです。

皆さんは何を「おもしろい」と感じますか?どんなことに心が惹かれたり、気になったりしますか?この文章を読んでいる時点で既に興味があること、好きなことを自分で認識している方もいらっしゃるかもしれませんし、そうでない方もいらっしゃると思います。

私の関心は、東アフリカにある「ソマリア」「ソマリランド」という国・地域の人びとや出来事、そしてそれらの場所から移動/避難し、イギリスの首都、ロンドンで暮らしている人びとの行動や自己認識にあります。調査地であるロンドンでは、出身地域で直接または間接的に紛争を経験した人びとが運営するコミュニティ活動に参加したり、インタビューをしながら、彼ら/彼女らがどのように「ソマリア」「ソマリランド」という場を捉え、共同作業をしたり、自己を認識しているのかを調べてきました。また、最近の調査では、彼女たちの多くがロンドンでシングルマザーとして生活していることに着目し、「英国ロンドンにいるソマリ人女性たちの生計活動」を執筆しました[1]。

英国でのRemembarance Dayに際してソマリランド・コミュニティ団体がロンドンで実施したイベント

ソマリランドの主権国家としての承認を訴え、
ロンドンで行われたデモ

ロンドンで行われた、
ソマリランドの独立宣言記念日を祝うイベント

しかし正直なところ私は大学生時代に、将来の自分がこのような研究をしているとは想像していませんでした。色々と興味はありましたが、何に強い関心があるのかいつも悩んでいました。そのなかで、大学で授業を受けたり、国内外でボランティア活動をしたり、友達と話をすることで、少しずつ進みたい方向が見えてきました。

もしかしたら、今の時点で何に関心があるか分からないと思っている方も、大学で学び、色々な人や出来事や本に出会うことで、自分自身では無自覚である関心に気が付くかもしれません。是非、みなさん各々が持つ「おもしろい何か」に気が付き、掘り起し、作り出していきましょう。

[1]

須永修枝(2020)「英国ロンドンにいるソマリ人女性たちの生計活動」児玉由佳編『アフリカ女性の国際移動』アジア経済研究所, 223-256頁。