未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究

生薬学

掲載内容は当時のものです。

生薬(しょうやく)という言葉をご存知でしょうか?

生薬とは「植物や動物の薬用となる部位」であり、主に煎じ薬などの漢方薬に配合されます。「漢方=古い」と思われるかもしれませんが、近年、漢方薬の優れた性質が解明され、治療法のなかった病気や、抗がん剤の副作用軽減などにも盛んに用いられています。

生薬学では、有効成分など薬用植物に関する項目からスタートして、それぞれの生薬の漢方薬における役割を学び、さらに漢方薬の成り立ちや利用法について学習します。覚えることは多くなりますが、低学年の科目でありながら、直接医療に結びつく実践的な科目として楽しめるのではないかと思います。

さて、富山大学には敷地内に立派な薬用植物園がありますので、薬用植物の姿を実際に観察し、親しみながら学習することができます。昨年はムラサキやベニバナの観察会を行いました。紫色の根を薬用とするムラサキは、絶滅危惧種のため植物園でしか見ることができない貴重な植物であり、一方ベニバナは色鮮やかな花弁を血の巡りを良くする薬として用います。

生薬の世界は古くて新しく、そしておもしろい学びにあふれています。若いみなさんに興味を持って頂けたら幸いです。