未来を拓く:おもしろい授業・おもしろい研究

科学コミュニケーション

掲載内容は当時のものです。

「科学はおもしろい!」
少なくとも理学部の学生はそう思っているでしょう。しかし、そのおもしろさを身近な人に伝えようとして、うまくいかなかったことはありませんか?

そんな悩みを解決するため、この授業では3人の講師をお招きしています。TBSテレビの「新・情報7daysニュースキャスター」「サンデーモーニング」のコメンテーターとしておなじみの元村有希子氏(毎日新聞論説委員)には科学コミュニケーションの概要に加えて取材・記事作成・文章推敲の方法を、NHKスペシャル「MEGAQUAKE 巨大地震」など多くの科学番組を制作されている井上智広氏(NHK制作局大型企画開発センター チ-フプロデュ-サ-)には番組制作においてどのように視聴者に伝わる映像をつくるかを、FMとやまやCMでご活躍の廣川奈美子氏(フリーアナウンサー)には相手に伝わる話し方や表現方法のテクニックを、これまでの豊富な経験から教えてもらいます。

毎日新聞 論説委員
元村有希子講師

NHK井上講師による授業の様子

しかしこの授業の目的は有名人のレクチャーを受けることではありません。前期の授業では「サイエンスカフェの開催」を、後期の授業では「科学記事の作成」を実践課題として取り組みます。

「サイエンスカフェの開催」は、科学を分かりやすく興味深く伝える場としてイギリス・フランスでは20年以上前から、日本でも15年ほど前から各地でサイエンスカフェが行われていますが、これを学生自ら発案・企画し、実際に運営します。講師の元村氏の指導の下に検討を重ね、近年は秋の「理学部サイエンスフェスティバル」の機会を利用して来場者向けに2つのテーマで実施しています。

サイエンスカフェの様子

サイエンスカフェの様子

「科学記事の作成」では、学生が若手研究者(大学院生)にインタビューして、研究内容を分かりやすく興味深く紹介する記事作成を課題にしています。まず学生が取材対象を選び、講師の元村氏から取材技術・文章作成のコツなどの指導を受けた後、実際に取材し、記事を作成・推敲していきます。推敲では、学生の作成した記事がバッサバッサと添削され、元村氏の赤ペンが記入されていきます。なお、完成記事は理学部後援会報「りっか」や理学部案内「スペクトラ」に掲載されます。

この授業を通して培った考え方やスキルが、学生のみなさんのそれぞれの進路においてさらなる実践成果につながることを期待しています。