国際宇宙ステーションで植物の細胞分裂を調べる
掲載内容は当時のものです。
私たちが住む地球上には1Gの重力が常に存在しています。この1G重力環境の中で、植物は重力の方向や自分の重さを感受して自身の体作り(形態形成)を行います。植物の器官・組織の形態形成の基礎となるのは細胞分裂です。植物の細胞は丈夫な細胞壁に囲われているので、細胞分裂後に移動することはできません。そのため細胞を分裂させる方向、タイミングが植物の体の形作りにはとても重要です。
それでは重力のない宇宙ではどうでしょう?宇宙の微小重力環境でも植物の細胞は正常に分裂できるのでしょうか?私たちの研究室では、重力の大きさの変化が植物の細胞分裂に影響を与えるかどうかを、微小重力環境である国際宇宙ステーションで調べる実験を計画しています。
国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」には共焦点レーザー顕微鏡が設置されており、その顕微鏡を用いてタバコ培養細胞と水生の緑藻植物であるコレオケーテの細胞分裂の様子を直接観察して、微小重力が植物の細胞分裂にどのような影響を与えるのかを明らかにします。加えて、細胞の形態形成に関わる繊維状の分子である微小管の構造変化についても調べます。
理学部生物学科に入学して、私たちと一緒に宇宙生物科学に取り組んでみませんか?
- 教員名/玉置 大介
- 所属/理学部
- 専門/植物形態学、細胞生物学、宇宙生物科学
- 関連リンク/富山大学理学部生物学科、2019年度「きぼう」利用フィジビリティスタディテーマ募集の選定結果について