TOPICS

富山県内における令和6年能登半島地震発生時の車による避難行動解析

本研究のポイント

・富山県が設置する道路カメラの画像に物体検出技術を適用し、令和6年能登半島地震発生前後の富山県内における車による避難行動を解析した。
・その結果、沿岸部から南北方向に伸びる道路だけでなく、内陸部や丘陵・山地でも地震発生後に著しい交通量の増加、および滞留が認められた。
・交通量増加および滞留が発生した時間の画像を確認したところ、滞留状況が視覚的に捉えられ、その原因を推定することができた。
・従来から指摘されていた通り、津波からの避難行動も検知されたが、買い出しなど別の要因によると思われるものや、沿岸から遠く離れた山地・丘陵の駐車場・待避所での滞留も認められた。
・本研究は、災害時の避難行動が多面的な側面を持つことを明らかにした。この知見は、今後の関連議論における重要な視点を提供するものである。

研究概要

 富山大学大学院 理工学教育部 澤田 渚博士課程大学院生、学術研究部都市デザイン学系 立石 良准教授は、富山県内における令和6年能登半島地震時の車による避難行動の解析を行い、これまで報告されていなかった行動状況を検知するとともに、その誘因についての考察を行いました。本研究成果は、令和6年5月21日に公益社団法人土木学会が発行する学術誌「AI・データサイエンス論文集」にて公開されました。なお、本研究は、富山県出身の澤田 渚氏が、自身の実体験を通じて課題の重要性を認識し、自発的に企画・主導して実施したものです。

研究内容の詳細

富山県内における令和6年能登半島地震発生時の車による避難行動解析[PDF, 919KB]

論文情報

論文名

YOLO を用いた 2024 年能登半島地震発生時の富山県内の車による避難行動の分析と可視化

著者

澤田 渚・立石 良

掲載誌

AI・データサイエンス論文集

DOI

https://doi.org/10.11532/jsceiii.6.1_192

お問い合わせ

富山大学学術研究部都市デザイン学系
准教授 立石 良

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