TOPICS

酪酸菌含有プロバイオティクスが自然早産を予防する可能性-多施設共同研究PPP trialの結果-

ポイント

  • 自然早産を経験した妊婦を対象とした多施設共同臨床研究(PPP trial)により、酪酸菌含有プロバイオティクスが自然早産を減少させる可能性が示された。
  • 国内の先行研究で報告されている自然早産反復率22.3%に対し、本研究では16.0%と低い結果が得られた。
  • 正期産となった妊婦では腸内酪酸菌の増加が認められ、妊娠維持との関連が示唆された。

概要

 富山大学の齋藤滋学長および学術研究部医学系 産科婦人科学教室 米田哲准教授らの研究グループは、酪酸菌を含むプロバイオティクスによる早産予防効果を検証するため、自然早産を経験した妊婦を対象とした多施設共同オープンラベル前向き臨床研究(PPP trial)を実施しました。本研究は、日本早産学会に所属する医師を中心とする31施設の協力のもと、2021年4月から2024年9月まで行われ、345例の自然早産を経験した妊婦が登録されました。研究費は東亜薬品工業株式会社より提供されました。
その結果、本研究における早産率(自然早産+人工早産)は14.9%でした。さらに、人工早産を除外して解析したところ、自然早産反復率は16.0%であり、国内の先行研究で報告されている自然早産反復率22.3%と比較して有意に低いことが明らかとなりました。
また、自然早産を回避して正期産に至った妊婦では、便中に含まれる酪酸菌の割合が約5倍に増加していました。一方で、自然早産を再度経験した妊婦では、このような酪酸菌の増加は認められませんでした。これらの結果から、腸内に酪酸菌が定着することが自然早産の予防に関与する可能性が示唆されました。
本研究成果は産婦人科分野の国際学術誌American Journal of Obstetrics & Gynecologyに2026年2月19日付で掲載されました。

研究内容の詳細

酪酸菌含有プロバイオティクスが自然早産を予防する可能性-多施設共同研究PPP trialの結果-[PDF, 360KB]

論文情報

論文名

Prevention of Recurrent Spontaneous Preterm Delivery Using Probiotics: Results from a Prospective, Single-Arm, Multicenter Trial

掲載誌

American Journal of Obstetrics & Gynecology

DOI

https://doi.org/10.1016/j.ajog.2026.02.027

お問い合わせ

富山大学学術研究部医学系産科婦人科学教室
准教授 米田 哲

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