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葉緑体RNAに残る「細菌の痕跡」が哺乳類の免疫に認識されることを発見

ポイント

  • 葉緑体に含まれるRNAが哺乳類の自然免疫受容体(※1)を活性化することを発見しました。
  • 免疫活性化に関与するシアノバクテリア(※2)由来の15塩基配列を同定し、その配列が植物種を超えて保存されていることを確認しました。
  • 植物由来RNAと哺乳類免疫系との新たな関係性を示しました。

概要

 富山大学和漢医薬学総合研究所 協力研究員 犬嶌明子(金沢医科大学医学部生化学II助教)および富山大学和漢医薬学総合研究所未病分野 小泉桂一教授らは、植物の葉緑体に含まれるRNAの一部が、哺乳類の自然免疫受容体を活性化することを明らかにしました。特に、葉緑体リボソームRNA(※3)中に存在する15塩基の配列がマウスのToll様受容体 (TLR) 13を介して免疫応答を誘導し、さらにその配列を含む33塩基のRNAがヒトのTLR7を介して免疫応答を活性化することを明らかにしました。これらの結果は、葉緑体のRNAが現在も細菌由来の特徴を保持していることを示すとともに、植物由来RNAと哺乳類免疫系との新たな関係を示す結果となりました。
 本研究成果は、生物科学分野における査読付き国際学術誌「Communications Biology」に 2026年6月15日(月)に掲載されました。

用語解説

※1)自然免疫受容体
細菌やウイルスなどに共通する特徴的な分子を認識する受容体。
病原体の侵入を感知し、炎症反応や免疫応答の開始に関わる。

※2)シアノバクテリア
光合成を行う細菌の一群。葉緑体は、太古のシアノバクテリアが細胞内に取り込まれて成立したと考えられており、
その名残として独自のゲノムをもつ。

※3)リボソームRNA
タンパク質合成の場であるリボソームを構成するRNA。
細菌のリボソームRNAには、自然免疫受容体TLR13によって
認識される配列が存在することが報告されている。

研究内容の詳細

葉緑体RNAに残る「細菌の痕跡」が哺乳類の免疫に認識されることを発見[PDF, 519KB]

論文情報

論文名

Bacterial remnants in chloroplast RNA induce immune responses via mouse TLR13 and human TLR7

著者

犬嶌 明子, 小泉 桂一, 青山 音哉, 廣瀬 豊, 井川 善也, 白石 英秋, 山村 良美, 櫻井 宏明

掲載誌

Communications Biology

DOI

https://doi.org/10.1038/s42003-026-10452-0

お問い合わせ

富山大学学術研究部薬学・和漢系 教授 小泉桂一

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