専攻紹介

思想・歴史文化領域

哲学・人間学

哲学は、存在・認識・世界観などの諸問題を、主に西洋哲学の方法論にもとづいて歴史的文脈を踏まえながら、深く掘り下げて研究します。人間学の研究領域には西洋思想だけでなく日本・東洋思想も含まれ、過去から現在に至る倫理思想・宗教思想・社会思想に、さらに生命倫理やジェンダーなどの現代的課題にも取り組みます。

歴史文化

日本をはじめ世界における歴史事象の様相を究明し、現代に要請される歴史認識を確立するため、4つの専門に分かれて実証的な研究を進めます。古文書など史料の解読に重点をおく日本史、東アジアを中心に中央・西アジアも対象に含める東洋史、欧米文化の及んだ地域を広い視野で探求する西洋史、遺跡や遺物を手がかりに過去の文化と社会背景を探る考古学において専門研究の深化と体系化をめざします。

国際文化論

主として「環日本海」諸地域(日本・中国・朝鮮・ロシア)の文化とアメリカ文化の諸相、およびこれらの諸文化間の交流と受容について、異文化理解の視点から研究します。具体的には、思想、歴史、文学、カルチュラル・スタディーズなどの多様な手法を用いますが、これまでの文化潮流のなかで主流とは見なされてこなかったマイノリティーの文化やサブカルチャーも研究対象としています。

行動・社会文化領域

言語学

人間言語の諸相に関する多様な関心にこたえるべく、多岐にわたる方法論が用意されています。個別言語の記述的ならびに歴史的研究から、言語間の比較対照をおこなう対照言語学・言語類型論、言語と社会の関係を究明する社会言語学、日本語学習者の言語習得を促進するものは何かを探る日本語教育学まで、さまざまな角度から言語に対する科学的かつ体系的な理解力を養います。

心理学

心のはたらきと行動の一般法則について、科学的・実証的方法を用いた研究を行うとともに、心理臨床の問題にも取り組み、心的活動のメカニズムを一般性と個別性の両面から解明することをめざします。多様な研究技法を用いて、認知心理・社会心理・臨床心理など心理学主要領域の知識を総合することで、社会の様々な分野において生じる種々の心理学的課題の解決に貢献する、高度な心理学的洞察力と実践力を育成します。

社会学・国際関係論

日本および国際社会における現代的な社会事象の様相を究明し、現代に要請される社会認識を確立するため、実証的な研究を進めます。差別論や自己論をはじめとする社会学理論、あるいは歴史分析や国際文化交流研究をはじめとする国際関係理論について、その最新の動向を学びながら、社会調査(フィールドワーク、インタヴュー、質問紙調査、等々)に関する高度に専門的な理解を実践的に習得します。

人文地理学

現代社会を空間的な視点から分析するために、理論研究・実証研究双方から様々な地理的事象を取り上げて研究を進めます。実証研究では、フィールドワークを中心とした、インテンシブな調査を行うとともに、得られたデータの分析には地理情報システムを活用するなど、新しい手法も取り入れます。それと同時に、欧米の最新の研究動向、隣接諸科学の技法、思考法をどん欲に取り入れ、地域のあり方を考えていきます。

文化人類学

フィールドワークを通した経験的調査に拠って、人間の織りなす様々な社会文化的営為の多面的で重層的な現実の理解を試みます。人々の行動を精細に捉える観察力と人々の語りを適切に考察に内化していくスキルをもとにして、現代世界のさまざまな事象にアプローチしています。

言語文化領域

日本言語文化

日本語学と日本文学について、それぞれ伝統的な学問研究の方法を重視するとともに、現代的な視点からの解明もめざします。日本語学では、日本語の歴史およびフィールドワークに基づく方言や現代日本語の構造を明らかにします。日本文学では、各時代の作家や作品に即して、形成発展や受容の問題などを取り上げ、日本文学の特質を明らかにします。

朝鮮言語文化

朝鮮言語文化では、朝鮮語学・朝鮮文学の既存の研究成果や方法論を十分に踏まえた上で、新しい研究動向にも留意しつつ、研究を行います。また、研究の礎となる種々の資料の精読、分析を特に重要視し、その能力の向上を図っていきます。

中国言語文化

中国言語文化では、東アジア漢字文化圏の中心をなす中国の言語文化について、伝統的な漢文の枠にとどまらず、古典文学(文言文学および白話文学)・現代文学・文字学・音韻学などの領域から、その性格の解明をめざします。

英米言語文化

イギリス言語文化とアメリカ言語文化では、英米の市民文化・大衆文化の伝統や批評理論などをふまえつつ、文学作品を中心としたさまざまなテクストの精緻な読解・分析を主な研究活動としており、英語学では、英語という言語の構造や歴史的変遷などを研究します。これらを通して、多様な文化事象や言語の特質を分析・解釈・記述する能力を高めることをめざします。

ドイツ言語文化

学部で培ったドイツ語の高度な運用能力をもとに、ドイツ語に関わるさまざまな文化現象について、言語学あるいは文学研究の立場からアプローチし、その根源的な解明をめざします。ドイツ言語文化に特化して理解・研究を深めるだけでなく、本人の関心・意欲に応じて他分野の文学や語学関連の授業をあわせて受講し、対象を広げて研究を進めることも可能です。

フランス言語文化

フランスおよびフランス語圏を対象とし、基本的な知識の習得、高度なフランス語運用能力、テクストの深く厳密な理解を基礎に、言語・文学・文化史の研究を行います。研究指導にあたっては、テクストそのものの徹底した理解と、テクストを成立させている基層の的確な把握を図り、主として近世以降の文化と文学に関わる近年のフランスにおける研究動向とその成果を取り入れています。

ロシア言語文化

ロシアさらにはスラブ世界を対象として、そこにおける諸言語の本格的な修得をめざすとともに、言語を基層とした文化、すなわち文学・言語・民俗・文化史等の分野での研究を行います。研究指導にあたっては、みずからの研究テーマを開拓する発想力をもち、その学術的意義を十分に理解し、確かな方法論によって専門的研究を行うことのできる人材の養成をめざします。