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脳の萎縮のメカニズムを解明

宮崎大学、東京大学、東邦大学、富山大学並びに理化学研究所などの研究グループは、老化や脳神経疾患などで起こる、脳の萎縮に関係する新しいメカニズムを世界で初めて明らかにしました。この研究成果は、将来、脳神経疾患の病態改善に繋がる可能性があります。

超高齢化社会を迎えた我が国で問題となっている、認知症、パーキンソン病などの脳神経疾患では、脳の萎縮が広く認められます。これまで脳萎縮の原因は、神経細胞の脱落(細胞死)と考えられてきました。しかし、必ずしも神経細胞死だけでは、脳体積の減少を説明できませんでした。一方、脳神経疾患の状態にある「病態脳」では、多くの場合、神経細胞内の細胞小器官の一つである小胞体にストレスがかかっていること(小胞体ストレス)が示されていました。そこで、マウスを用いて脳内で小胞体ストレスを誘導する動物モデルを作製し、脳萎縮の分子メカニズムを解明しました。

今後は、脳神経疾患に広く共通する脳萎縮の回復を目指す創薬が期待されます。本研究成果は、宮崎大学の西頭英起教授、東京大学の一條秀憲教授らによるもので、7月23日付けで、米国Cell Pressの学術誌雑誌『iScience』(アイサイエンス)に掲載されました。

プレスリリース[PDF, 734KB]