素形材産業技術賞、経済産業省製造産業局長賞を受賞
学術研究部工学系 白鳥 智美 教授が一般社団法人素形材センターより、第37回素形材産業技術賞 経済産業省製造産業局長賞を受賞しました(2021年11月5日(金))。
この受賞は、「進化型CVT金属ベルトエレメントの新せん断工法の開発」に関する功績が認められたものです。
本受賞は、自動車の動力伝達装置に金属ベルトを用いるCVT(Continuously Variable Transmission)の動力伝達効率化に関係しています。
CVTの金属ベルトには主要部品としてエレメントが採用されています。このエレメントをプレス機でせん断加工する際に、打抜いた材料の側面を平滑なせん断面を維持し、動力伝達を効率化できる新せん断加工法を開発しました。
具体的にはせん断時に材料の流動角よりも雌型であるダイのチャンファ角を小さくすることで材料表面とダイの摩擦流動を減少させ、材料内部の塑性流動によってせん断加工を行うことでせん断面長さを確保することを可能にしています。
この工法を適用したCVT搭載車に加えて電動車等への適用により、更なる燃費向上とCO2削減が期待できます。また、この加工法は他の製品にも応用することが可能であり、幅広い製品に波及すると考えられます。
世界で最も金属ベルト式CVTが普及した日本において、その製品が必要とする新たなせん断工法が生まれたことは歴史的にも意義があることと考えています。
受賞者及び技術内容等の詳細 [PDF, 2.08MB](外部サイト)