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【芸文ギャラリー】ON THE WAY -富山大学芸術文化学部 渡邉雅志研究室-

開催によせて

本展は、富山大学芸術文化学部 渡邉雅志研究室に所属する大学4年生6名による展覧会です。展覧会と言っても、皆さんが思う内容とは違いますので、少しご説明させていただきます。

当たり前のことですが、人間一人ひとりに人生があり、歩む道が違います。 歩んだ道が、その人の個性や性格、価値感や感性をもつくっていきます。 本人が特に意識しなくても、日々過ごしているだけで誰でも個人は形成されていきます。 つまり、人は初めから「個」でありオリジナリティに満ちていると言えます。 誰とも同じではないのです。

ですが皆さん、「自分には個性がない」「自分にできることなんて特にない」「自分ぐらいの人はたくさんいる」と思ったことはありませんか? それは、自分と誰かを無意識に比較して自分にできないことを見つけ出し、評価してしまうからです。 なぜ、自分にできることを意識的に探して、自分の「個」を評価しないのでしょうか?

渡邉研究室の6名は、これから大学生最後の課題「卒業研究」に取り組みます。 その前にいつも私は、私の研究室を選んだ学生について知ることから始めています。 何が好きで、何に熱中して、どんな子ども時代を過ごして、何を覚えているか。デザインを学ぼうと思ったきっかけや、普段過ごしていて気になることまで。どんどん話して、どんどん記憶を呼び覚まします。 記憶が活性化し、認識していなかった記憶の断片が浮かんできます。 本人ですら気がついていないことを見つけて会話をするのです。

すると「あっ、そうだったのか!」と思う瞬間が不意に訪れます。 その瞬間が自分の「個」にようやく気がつき、自ら評価した瞬間なのです。 この瞬間から渡邉研究室での「卒業研究」が始まります。 自分の「個」を認識し、それができることであり、好きなことであり、チャレンジしたいことだからです。

私はこの時間を展覧会として企画し、皆さんと共有したいと思いました。 6名の歩んできた道を共に知り、感じ、理解し、人間の「個」について考えたいのです。 考えているうちにきっと、皆さんは自分の歩んだ道を振り返り、これから先の自分のことも考えるでしょう。 誰だっていつだってこの瞬間は、「ON THE WAY(途中)」何かに向かっている途中です。 ここは誰にとっても可能性に満ちた現在地に違いないのです。 自分を認めることが可能性をつくるのです。

本展をきっかけに、皆さんにある「個」に出会っていただけたら幸いです。 (富山大学芸術文化学部 准教授 渡邉雅志)

−展覧会キャプションより
−実は自分が思っている以上に努力していたんだ (カプスチナ クリスティーナ)
−過去の自分と比べて今の自分が嫌になってしまうのではないかと思ったりして、過去に蓋をして見てきませんでした (八田 渚)

 

展覧会

ON THE WAY -富山大学芸術文化学部 渡邉雅志研究室-

日時
第1期:2022年5月14日(土)~ 5月19日(木)11:00~19:00

カプスチナ クリスティーナ & 八田 渚

第2期:2022年5月21日(土)~ 5月26日(木)11:00~19:00

伊藤 ひなた & 髙橋 ゆう

第3期:2022年5月28日(土)~ 6月2日(木)11:00~19:00

家塚 ちひろ & 明官 鮎美

※geibun galleryは水曜定休です

場所

geibun gallery(芸文ギャラリー)

〒933-0029 富山県高岡市御旅屋町90番地1 KMビル1F

※専用駐車場はございません

主催

富山大学芸術文化学部 渡邉雅志研究室

geibun gallery(芸文ギャラリー)

http://www.geibungallery.jp

 

高岡市御旅屋通りにある「芸文ギャラリー」は、授業成果や学生の自主制作を発表する場です。

芸文らしい多種多様な展覧会が開催されます。

定期的に訪れて、感性に磨きをかけましょう!

そしていつかは個展やグループ展も開催してみてはいかがですか?