放蝶によるギフチョウへの遺伝的影響はごくわずかだった ~関東地方唯一の生息地で遺伝解析を実施~
ポイント
- 神奈川県石砂山のギフチョウ45個体を遺伝解析した結果、外来の遺伝的グループの割合は全体のわずか2%程度であった。
- 神奈川県石砂山のギフチョウの保全価値は損なわれておらず、保全の必要性を改めて示した。
概要
ギフチョウは、環境省のレッドリストで絶滅危惧II類に分類されており、各地で保全の取り組みが進められています。しかし、関東地方で唯一の生息地である神奈川県石砂山では、過去に他産地由来の個体を生息地に放つ放蝶が行われ、遺伝的撹乱※1の問題が指摘されていました。 本研究グループは、神奈川県石砂山に生息するギフチョウの遺伝的撹乱の実態を検証しました。その結果、遺伝的撹乱はほとんど起こっておらず、影響は軽微であったことを明らかにしました。本研究成果は、当地におけるギフチョウの保全の重要性を明らかにするものです。 本研究成果は、2026年6月14日に国際学術誌「Entomological Science」にオンライン掲載されました。
用語解説
※1)遺伝的撹乱
人為的に移動した個体が野外に意図的または非意図的に放たれることにより、現地の個体と交雑してしまうこと。
研究内容の詳細
放蝶によるギフチョウへの遺伝的影響はごくわずかだった ~関東地方唯一の生息地で遺伝解析を実施~ [PDF, 633KB]
論文情報
論文名
Minimal impact of anthropogenic genetic disturbance on the endangered butterfly Luehdorfia japonica (Lepidoptera: Papilionidae) within the Kanto Mountains, Japan
著者
Naoyuki Nakahama, Kyouhei Watanabe, Gohta Kinoshita, Shouhei Ueda, Norio Hirai, Minoru Ishii, Masaya Yago
掲載誌
Entomological Science
DOI
https://doi.org/10.1111/ens.70028
お問い合わせ
中濱 直之(大阪公立大学大学院農学研究科)
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