学長メッセージ
Message from the President of Toyama University

魅力溢れる、『おもしろい』大学にしよう!

富山大学は、平成17年に旧富山大学、富山医科薬科大学、高岡短期大学が再編・統合し、18年目を迎えた全国有数の総合国立大学です。現在、9学部(人文・教育(旧人間発達科学)・経済・理・工・医・薬・ 芸術文化・都市デザイン)及び附属病院や和漢医薬学総合研究所など複数の教育・研究組織に、9,200名余の学生と2,300名余の教職員が在籍し、多様な分野での教育・研究・社会貢献活動に活躍しています。

SDGs、人生100年時代、カーボンニュートラル、グローバル化、人口減少などの社会変化が訪れる中、世界の国々が今後直面する課題にいち早く対応していく必要があります。成熟社会を迎える中で、課題を解決することができるのは「知識」とそれを組み合わせて生み出す「新しい知」であり、その基盤となる「高等教育」が鍵となります。

富山大学では2020年度から教育の3本柱を掲げました。①データサイエンス教育の全学必修化、②アクティブラーニングの推進、③英語教育の充実です。

更に富山県の主要産業であるアルミニウム産業を活性化するために、熊本大学との連携による先進軽金属材料国際研究機構の立ち上げを行い、2023年には、高岡キャンパスに共同研究棟を新設し、アルミリサイクル研究を通じて県内産業の発展に寄与していく予定です。また、高度人材育成にも力を入れ、電気自動車等で急速に需要の高まっているリサイクルアルミを利用することで、日本の軽金属産業と科学技術の発展に貢献する人材を輩出します。

加えて、富山県のもう一つの主要産業である医薬品産業に貢献するため、内閣府地方大学・地域産業創生交付金事業「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造計画にて、新たな創薬への取組を行っており、ムーンショット型研究開発にて、未病研究などの健康に対する研究や人材育成を行っています。社会貢献の取組をSDGsの枠組みを使い評価するTHEインパクトランキング2023では、富山大学は国内で24位タイ、全世界で401 -600位にランクインしており、高く評価されています。その他、カーボンニュートラル、文化財保護、脳神経科学にも力を入れています。データサイエンスでは、文部科学省から「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル及び応用基礎レベル)」に認定されています。富山県及び富山市と連携して、小・中・高等学校の教員、児童・生徒、保護者及び富山県内の社会人に対するデータサイエンス教育も行っています。

このように富山大学は、常に新しいことにチャレンジしており、「おもしろい大学」を目指しています。

本学が立地する富山県は、素晴らしい自然環境や農林水産資源、伝統ある歴史・文化、卓越した産業活動力など、豊かさと幸せを強く感じることのできる場所です。富山大学はこれからも、富山県における地域活性化の中核的拠点としての役割を担いながら、時代の課題に応える先端的研究を推進し、新しい業績や情報を社会に発信する役割を果たして参ります。学外関係者の皆様にも、引き続きご指導ご支援頂けますようお願い致します。

富山大学長 齋藤 滋