3.すべての人に健康と福祉を

取組事例

1.早産児の後遺症を減らす

概要

早産児の急性期治療を充実させ、特に超早産児の救命率を向上させる。また早産児の退院後に発達評価を定期的に行い、子供たちの発達遅延の早期発見と早期介入によって、後遺症なき救命を目指す。

担当

附属病院 周産母子センター
教授 吉田 丈俊

2.富山県における医師の適正配置の推進

概要

富山県の人口10万対医師数は241.8人でほぼ全国平均であるが、二次医療圏間には医師の偏在がある。十分な医療を地域に提供するためには、医師の適正配置が必要であり、2017年度より富山大学附属病院では地域医療総合支援学講座が中心となり、富山県の公的24病院を対象に「富山県医師適正配置等調査」を毎年実施し、医師の偏在の改善を推進してきている。

担当

附属病院
地域医療総合支援学講座

3.超高齢社会における地域包括ケアシステムの構築

概要

約12年前に医療崩壊に陥った南砺市で、地域で医療人を育成することと住民参加型のシステムの構築のために、地域医療再生マイスター養成講座を立ち上げ、10年間の取り組みを実施した。その結果、医師数は増加し、また住民参加型の地域包括ケアシステムも構築され、地域医療は再生した。

担当

附属病院
総合診療部

4.健康長寿社会の形成

概要

認知症の予防と治療の実現に向けた和漢薬研究を、2015年度から大型プロジェクトとして進めている。すでに基礎研究から臨床研究に進み、製品化に至ったものもある。

担当

和漢医薬学総合研究所 研究開発部門 病態制御分野
教授 東田 千尋

5.データサイエンスを活用した漢方薬による未病治療

概要

伝統医薬学と現代医薬学、数理科学、情報科学が融合した学際的研究により、東洋医学における概念の「未病」を科学的に立証する。さらには、基礎研究に基づき、生活習慣病や免疫炎症性疾患等に関して、「未病」の段階での和漢薬を中心とした薬剤投与等の医療介入を実践する。その結果、疾病の発症や重症化を予防することで、健康寿命の延伸、健康人口や労働人口の増加、医療費の削減に寄与することを目的とする。

担当

学長補佐(「未病」プロジェクト)
教授 門脇 真

6.地域医療及び健康社会作りにむけた人材育成のための、富山県における地域包括ケアシステム推進

概要

地域包括ケアシステム推進の実施主体である自治体の役割機能を、大学として支援するために、公的病院・訪問看護ステーション看護職などの人材育成・活動支援に取り組んでいる。本部門が直接住民や患者様と関わり、地域・施設にモデル的に介入するのでは無く、看護・介護の実践者を支えるという立ち位置で推進している。富山県の4医療圏に対して公平に、浅くとも広く「種を撒き、各医療圏での普及・充実を支援し、得られた成果は地域住民に」という方針のもと、持続可能な健康社会・環境づくりに向けて取り組んでいる。

担当

地域連携推進機構
地域医療・保健支援部門

7.子供の生活習慣と健康に関する「文部科学省スーパー食育スクール事業」

概要

富山県高岡市の小学生約2千名を対象に調査した。その結果、生活のゆとりがない家庭は、親が食育に関心がなく、栄養バランスを考えない傾向にあり、子供は野菜を食べなかった。親の生活習慣がわるいと、親が食育に関心がなく、栄養バランスを考えない傾向にあり、子供の孤食も多かった。また、こうした社会要因や家庭要因は、子供のメディア利用時間の増加や授業理解度の低下とも関連していた。子供の健康づくりには、社会や家庭の協力のもと、総合的に取り組む必要性が明らかになった。

担当

地域連携推進機構
地域医療・保健支援部門

8.富山県認知症高齢者実態調査

概要

富山県が実施した富山県認知症高齢者実態調査を追加分析。対象は65歳以上の高齢者約1300人。認知症の患者数や有病率の将来予測、認知症のリスク要因、認知症やリスク要因の地理的分布状況を評価した。その結果、短い教育歴や糖尿病などの生活習慣病があると認知症リスクが高まることが明らかとなった。また、認知症有病率は、新川医療圏や砺波医療圏で高いが、患者数に対する医療従事者数は両医療圏では十分でないという地域課題も明らかとなった。現在、残存歯や難聴のリスク要因についての研究を行っている。

担当

地域連携推進機構
地域医療・保健支援部門

9.国民健康保険特定健康診査のビッグデータ分析

概要

国民健康保険特定健康診査のデータを用いて、①望ましくない生活習慣や生活習慣病の県全体および市町村別の特徴、②望ましくない生活習慣と生活習慣病の関連性、③地理情報システム(GIS)を用いた生活習慣病と望ましくない生活習慣の地理的分布について分析した。メタボリック症候群の有病率は、県西部に高く県東部に低い「西高東低」の分布を示した。背景には、望ましくない生活習慣の地理的分布の差があった。地域間格差の縮小と健康水準の向上には、地域課題の詳細な把握と対策が求められる。

担当

地域連携推進機構
地域医療・保健支援部門

10.ベトナムダイオキシン汚染地における小児発達保健

概要

本学、ならびにベトナム軍医大学および金沢医科大学と3大学共同で、ベトナムのダイオキン汚染地においてダイオキシンの胎生期暴露が乳幼児の脳発達や行動に及ぼす影響を、縦断的研究や動物実験により解析している。また、これらダイオキシンに暴露された乳幼児に対する方策についても研究を開始している。

担当

生命融合科学教育部
システム情動科学

11.温和な条件下での高反応性化学種発生法の開発

概要

1)「研究の背景・概要」
温和な室温条件で、非常に高活性な化学種オルトキノジメタンを発生させる方法を開発した。本方法は、従来報告されていたような加熱や強塩基性などの過酷な条件を必要としない。世界初の温和なオルトキノジメタン発生法と言える。

2)「今後期待される内容」
温和な反応条件で高活性な化学種を発生させられるため、生体分子の修飾反応や、薬理活性を持つ複雑な分子の構築に利用されることが期待できる。

担当

薬学部
<代表>教授 松谷 裕二

12.神経細胞のシナプスではたらく分子の遺伝子発現制御機構の解明

概要

1)「研究の背景・概要」
少子超高齢社会においては、神経疾患の予防、実際に罹患した方やご家族の生活の質(QOL)の向上が喫緊の課題である。神経疾患では、神経細胞における情報処理装置「シナプス」がうまく機能していないと考えられている。私たちは「シナプス」ではたらく重要分子を供給する機構、すなわち遺伝子情報がとりだされる仕組みを解明した。

2)「今後期待される内容」
本研究成果は、神経疾患の病態解明のみならず、シナプス関連分子の供給を活性化するような新しいくすりの開発につながるものと期待される。

担当

薬学部
<代表>准教授 田渕 明子

13.創薬に活かせる多置換複素環化合物の高効率的かつ網羅的合成法の開発

概要

1)「研究の背景・概要」
複素環骨格は数多くの医薬品分子に含まれる基本骨格の一つであり、新規医薬品の分子デザインにおいても鍵となる骨格である。それゆえ、今後も複素環骨格の効率的合成法の開発は、創薬研究さらに医薬品生産においても極めて重要である。最近、アトムエコノミーに優れ、メタルフリーな環境調和型反応の開発に成功し、それを駆使した多置換複素環化合物の高効率的かつ網羅的合成法を確立した。

2)「今後期待される内容」
本合成法を用いると様々な多置換複素環化合物を容易に効率的に合成できることから、構造活性相関研究や最適化研究が迅速化され、医薬品開発の効率化が実現できる。また、医薬品生産においても、環境調和、コストダウンが見込まれる。

担当

薬学部
<代表>教授 矢倉 隆之

14.がん細胞を選択的に抑制する新しい分子メカニズムの解明

概要

1)「研究の背景・概要」
急速な高齢化に伴い、がん患者およびがん死亡率は年々増加している。我々は、古くから心不全治療薬として臨床で用いられているナトリウムポンプ阻害剤の強心配糖体が、低濃度でがん細胞の増殖を顕著に抑制する一方で、非がん細胞の増殖は抑制しないことを見出した。強心配糖体によるがん細胞抑制メカニズムの全容を明らかにすることで、がん細胞を選択的に抑制することが可能な新しいがん治療法の創出を目指している。

2)「今後期待される内容」
・強心配糖体の新規作用メカニズムを明らかにすることで、ドラッグリポジショニングの観点から、副作用が少なく安全性の高い新しい治療法の創出につなげる。
・強心配糖体によるがん細胞選択的抑制機構の鍵となる分子を明らかにすることで、がん治療の新たな創薬標的の同定および新規治療薬の開発につなげる。

担当

薬学部
<代表>教授 酒井 秀紀

15.精神疾患・薬物依存の発症および病態メカニズムの解明

概要

1)「研究の背景・概要」
現代人は多くのストレスを抱え、精神疾患(不安症やうつ病、統合失調症など)に罹患したり、乱用薬物に手を出して、薬物依存に陥る人が増えている。私たちの研究室では、精神疾患や薬物依存に対する治療薬や予防薬の創生を目指し、それらに関連する新規分子の探索や病因解明、モデル動物の作成に取り組んでいる。

2)「今後期待される内容」
薬物依存や精神疾患の発症および病態メカニズムを解明し、治療薬や予防薬を開発するための標的分子を明らかにしたいと思っている。精神疾患の病因解明により、より適切な治療薬を開発するためのモデル動物の作成や、新薬開発における薬物の依存性を簡便に評価するための実験系の開発もしたい。

担当

薬学部
<代表>教授 新田 淳美

16.抗HIV活性を示すタンパク質の作用機序の解明

概要

1)「研究の背景・概要」
A3G は、ヒトが細胞内に持っている抗 HIV 活性を示すデアミネースであり、ウィルスの遺伝情報を書き換える生体防御タンパク質の1つである。我々は独自の解析法を用いて、A3G の脱アミノ化メカニズムの一部を解明した。

2)「今後期待される内容」
A3G そのもの、或いは A3G が相互作用する関連タンパク質に関する研究を展開することで、新しい作用機序を示す次世代型の抗 HIV 薬の開発につなげる。

担当

薬学部
<代表>准教授 千葉 順哉

17.環境調和型の新規化学反応や触媒の開発と展開

概要

1)「研究の背景・概要」
我々は、水やエタノールなど低環境負荷の反応溶媒を用い、金属触媒を必要としない新しい化学反応を開発した。さらに、これらの溶媒中で利用可能な独自の触媒も開発した。

2)「今後期待される内容」
生体分子の化学修飾や医薬品生産に利用されることが期待できる。また、生体分子間相互作用の新規な解析法や、創薬ターゲットとなるタンパク質の同定などへの展開も期待できる。

担当

薬学部
<代表>准教授 千葉 順哉

18.免疫細胞の新しい炎症シグナル機構の解明

概要

1)「研究の背景・概要」
多くの疾患の根底に存在する炎症を理解することは、超高齢社会を迎えた日本で重要な課題である。 IL-1、IL-6、TNF などの炎症性サイトカインが免疫細胞に作用することで誘導される細胞内シグナル伝達の制御機構の解明に取り組んでいる。

2)「今後期待される内容」
炎症サイトカイン受容体シグナルの新しい分子機構の解明により、炎症性・自己免疫性疾患の発症機序の解明や治療法の開発が期待される。

担当

薬学部
<代表>教授 宗 孝紀

19.環境省立山室堂地区安全対策専門委員会に参画

概要

噴気活動が活発化している弥陀ヶ原火山周辺において、委員の一人として、登山者の安全対策の立案に貢献すると同時に、積雪期のガスの拡散状況や植生の衰退に関する調査を実施している。

担当

研究推進機構 極東地域研究センター
教授 和田 直也

20.高次脳機能障害の支援体制の確立

概要

平成25年度から、富山県高次脳機能障害支援センターが行うピア・サポート事業に参加している。当事者同士が話を聴く「ピア・カウンセリング」等でアドヴァイザーとなることを通して、研究を蓄積しつつ事業を前進させるアクション・リサーチに取り組んでいる。また、平成30年度より、全国規模での現状把握と分析に関する調査研究にも参加している。

担当

人文学部
教授 伊藤 智樹

21.難病支援ピア・サポートの推進

概要

平成27年度より、各県の難病相談支援センターが取り組む事業のひとつであるピア・サポート(当事者同士の支え合い)を推進する研究に加わっている。具体的には、支援のためのハンドブック、研修を行うためのテキスト作成に参加した。

担当

人文学部
教授 伊藤 智樹

22.ヒトモノクローナル抗体およびCAR-T細胞の作製

概要

がん細胞にアポトーシスを誘導する分子(TRAIL受容体I)に対するヒトモノクローナル抗体を作製し、がん細胞を殺傷することを示した。さらにTRAIL受容体Iに対する抗体を改変し、キメラ抗原受容体(CAR)を作製し、それを発現するCAR-T細胞を作製し、がん細胞を殺傷することを示した。

担当

医学部 免疫学
教授 岸 裕幸

23.腫瘍特異的T細胞受容体(TCR)の取得およびTCR発現T細胞の作製

概要

ヒトの腫瘍細胞に反応するTCRを取得し、そのTCRを発現するT細胞を作製し、患者腫瘍細胞を殺傷することを示した。

担当

医学部 免疫学
教授 岸 裕幸

24.リーシュマニアのワクチン開発

概要

カナダのマニトバ大学との共同研究において、リーシュマニア症のワクチン開発のために、リーシュマニア感染マウスのT細胞受容体の解析を行った。

担当

医学部 免疫学
教授 岸 裕幸

25.日本・英国・フィンランドの公務員を対象とした国際比較研究

概要

日本・英国・フィンランドの公務員約2万人を対象とした国際比較研究。3か国の公務員において、社会経済的地位(職階)が高いほど精神的身体的健康度が高いという健康格差があった。また、健康格差には心理社会的ストレスの職階差が関与していた。健康リスク行動(喫煙や飲酒)は、英国とフィンランドでは職階による格差が認められたのに対して、日本では認められなかった。健康格差を縮小するためには、各国の特徴にもとづく対策が必要であり、日本では心理社会的ストレスの軽減が重要である。

担当

医学部 疫学健康政策学
教授 関根 道和

26.薬剤耐性菌対策を目的としたAntimicrobial stewardshipのためのテーラーメイド治療戦略

概要

本研究は、新しい数理予測モデルとして注目されている生理学的薬物動態 /薬力学モデルを応用し、特殊病態(肝・腎障害、高齢者、薬物代謝酵素による遺伝的多型等)を有する重症感染症治療の個別化および最適化を目的とした。本研究で開発する抗菌薬投与設計ソフトウェアはweb上で公開するため日本国内のみならず全世界で利用可能であり、抗菌薬の適正使用に貢献できる。

担当

医学部 感染予防医学
教授 山本 善裕

27.約10万人の母親を対象とした出産前後のメンタルヘルスに関する研究

概要

日本国内の約10万人の妊婦が登録した出生コホート調査である「子どもの環境と健康とに関する全国調査(エコチル調査)」より、妊娠中に魚食習慣があると妊娠中および産後の抑うつのリスクが低いことを明らかにした。妊娠中の食事指導でメンタルヘルス悪化を予防する可能性を示した。

担当

医学部 公衆衛生学(エコチル調査)
教授 稲寺 秀邦

28.約10万人の母親を対象とした産後うつと対児愛着に関する研究

概要

日本国内の約10万人の妊婦が登録した出生コホート調査である「子どもの環境と健康とに関する全国調査(エコチル調査)」より、産後うつと対児愛着(子どもを大切に思い育児に向き合う気持ち)に関連があることを示した。産後うつに早期に介入することで対児愛着障害を予防できる可能性を示した。

担当

医学部 公衆衛生学(エコチル調査)
教授 稲寺 秀邦

29.約10万人の母親を対象とした妊娠中の身体活動と早産に関する研究

概要

日本国内の約10万人の妊婦が登録した出生コホート調査である「子どもの環境と健康とに関する全国調査(エコチル調査)」より、妊娠中の身体活動量が非常に少ない人は早産のリスクが高いことを示した。妊娠中に適度な身体活動をすることで早産を予防できる可能性を示した。

担当

医学部 公衆衛生学(エコチル調査)
教授 稲寺 秀邦

30.アレルギーに関する保健指導の手引き作成

概要

小児のアレルギー疾患の発症に胎児期や出生後早期の環境が影響することが知られている。しかし、乳児・幼児健診の場面では、アレルギーに関する指導が十分でない。そこで、厚労省の特別研究費を元に保健指導の現場で使いやすいQ&A集を作成し、『アレルギーポータル』を介して公開している。

担当

医学部 小児科学
教授 足立 雄一

31.保育・教育の場におけるアレルギー疾患児への対応指導

概要

急増している食物アレルギー児にとって保育や教育の場で提供される給食は、食育の観点からは重要であるが、一方で原因食物を誤摂取してしまう危険性もある。そのため、富山県内の保育・幼稚園や小中高等学校が主催する講演会に講師として出席し、実技指導や講演を行なっている。

担当

医学部 小児科学
教授 足立 雄一

32.災害時のアレルギー児への対応の手引き作成

概要

災害時の避難所生活は、喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー疾患に罹患した子どもたちとって大きな負担となる。そこで、日本小児アレルギー学会ならびに日本小児臨床アレルギー学会の災害対応委員会委員長として、「災害時のこどものアレルギー疾患対応マニュアル」、「災害派遣医療スタッフ向けのアレルギー児対応マニュアル」、「アレルギー疾患のこどものための『災害の備え』パンフレット」を作成し、学会のHPを通して公開している。

担当

医学部 小児科学
教授 足立 雄一

33.アレルギー疾患に対する高度医療の提供と人材育成

概要

富山県におけるアレルギー疾患拠点病院の指定を受け、附属病院において難治性アレルギー疾患の診断ならびに治療体制を構築している。また、富山県内のアレルギー疾患に関わる医療人(医師、看護師、薬剤師、栄養士、学生など)を育成するプログラムも構築している。

担当

附属病院 小児科
教授 足立 雄一

34.重症の妊婦、新生児の管理体制の整備

概要

富山大学附属病院は、重症の妊婦を管理するMFICUを3床、未熟児、合併症を持つ児を管理するNICU12床を有し、富山県内で重症の妊婦、新生児を管理する中心的な役割を果たしている。

担当

附属病院

35.先天性心疾患に対するチーム医療の実施

概要

先天性心疾患は約1%に生じる最も多い形態異常であるが、富山大学では産科婦人科、小児循環器医、小児心臓外科医がチーム医療を行い、北陸3県から多くの症例を紹介していただき、良好な治療成績を上げている。

担当

附属病院

36.周産期の3大疾患への対応

概要

周産期の3大疾患は流産、早産、妊娠高血圧症候群である。富山大学では、流産を繰り返す不育症治療を行っており、厚生労働研究、AMED研究で代表世話人を務めており、北陸やそれ以外から多くの患者が受診している。早産では臨床検査部の仁井見准教授と協力し、羊水中の病原微生物を検出する方法(PCR法)を確立し、良好な治療をあげている。(本法は富山大学オリジナル。)妊娠高血圧症候群では予知、予防法に取り組み、現在、アジア8ヶ国との臨床試験を行っている。また、2020年には、世界妊娠高血圧学会を斎藤学長が主催する事になっており、富山大学の臨床研究は高く評価されている。

担当

富山大学長
齋藤 滋

37.医療関係者、市民等を対象としたセミナー、講習会の実施

概要

初期臨床研修医を対象としたICLS研修会や、医学部学生を対象としたBLS講習会の実施、富山県内の医療機関や公共機関における講習会講師や講演会講師担当。

担当

附属病院
災害・救命センター

38.再生医療・組織工学の発展のための新技術の研究開発

概要

3Dバイオプリンターの開発、複合バイオフィラメント作製装置の開発、インクジェット式マイクロ微粒子作製技術の開発、3次元生体組織スキャナーの開発、臓器再生用医療機器の開発、臓器再生用貼付剤の開発(産学連携共同研究で実用化を視野に入れて、実施中)

担当

生命融合科学教育部
教授 中村 真人
助教 岩永 進太郎

理工学研究部
教授 小熊 規康
准教授 黒岡 武俊

医学薬学研究部
教授 北村 寛