12.つくる責任つかう責任

取組事例

1.ミャンマー産天然資源の遺伝資源の保存

概要

最近では、天然物の生合成に関わる遺伝子を異種発現系に組み込み、有用物質を効率的に生産することも、以前と比較してより実用的なものとなりつつある。この方法論を用いれば、生産生物の死滅による未知の天然有用化合物の消失を、遺伝資源を利用することで回避できる可能性もある。そこで、将来的な遺伝資源の活用を指向し、ミャンマーにおいて採集した植物と海綿の遺伝資源10種を保存した。

担当

和漢医薬学総合研究所
資源開発研究部門
教授 森田 洋行

2.伝統薬の永続的利用

概要

地球環境の変化により伝統薬の基となる薬用植物が減少している。持続的利用を可能にする方法は多様性を認めることであるとされるが、薬の場合、有効性と安全性が担保されなければならない。そこで、漢方医学などで用いられる生薬の永続的利用を可能にする方法を策定する目的で、薬用植物の多様性解析研究と生薬の標準化研究を実施している。具体的には、アジア全体で生薬の循環型社会を形成するために漢薬に匹敵する代替生薬を開発する、限りある生薬を品質上の特徴に応じて効率的に利用する方法を見出す、栽培すべき薬用植物を選択したのち、効果的・効率的栽培方法を確立するなどの研究を行っている。

担当

和漢医薬学総合研究所
研究開発部門 病態制御分野
研究員 小松 かつ子

3.物質循環を基軸とした持続的発展のための水産資源の活用

概要

富山県水産研究所や魚津水族館と連携し、富山湾の水産資源を支えている重要な栄養塩は、(1) 冬季の鉛直混合や(2) 河川・海底湧水から供給されていることが、これまでの調査で判明した。富山の物質循環を「見える化」することで、新たな「富山のさかな」のブランド化や今後の持続的発展のための水産資源の保全・活用へとつなげた。

担当

理学部
教授 張 勁

4.周辺生態系に考慮した持続的な水田活動

概要

氷見市の水田地帯における水利用と周囲の生態系との関係を調査した。その結果、隣接する河川から得た水を水田で利用し、その後に同じ河川に排出する用排水兼用の水利用を行う水田の周辺において、高い生物多様性が示された。これにより、付加価値のついたお米の生産活動の持続と周辺生態系の保全が両立することが判明した。

担当

理学部
准教授 山崎 裕治

5.個別リサイクル法等の見直しを行う審議会等への参画

概要

環境省・経済産業省合同の家電リサイクル法の審議会や循環型社会推進計画の見直しに係る指標の検討会などに委員として参画している。

担当

研究推進機構
極東地域研究センター
教授 山本 雅資

6.廃棄物分野におけるIoTの役割などについて研究

概要

高齢化が進む日本において今後の産業廃棄物処理業におけるフレームを検討するとともに、想定される需給ギャップをAIやIoTを用いて生産性を向上させることでどのように補完できるかを検討している。

担当

研究推進機構
極東地域研究センター
教授 山本 雅資

7.プラスチックリサイクルの効率性について研究

概要

国際的にプラスチックごみの問題が大きな関心を集めている中で、現状の政策的枠組みを必ずしも前提としない形で望ましいリサイクル制度のあり方について検討している。

担当

研究推進機構
極東地域研究センター
教授 山本 雅資

8.環日本海学術ネットワーク特定テーマ研究支援事業を推進

概要

SDGsと北東アジアにおける資源の持続可能な利用に関する研究を推進している。

担当

研究推進機構
極東地域研究センター
教授 山本 雅資
教授 堀江 典生
教授 和田 直也

9.農場を用いた実習授業

概要

畑、水田等を擁する附属農場において、栽培技術実習の実施(1期2単位)をはじめ、ゼミ活動や子どもと触れ合う授業の一部を納受で行い、食糧生産に必要な自然環境と人の働きかけ、農業に必要な社会的仕組みなどについて体験的に学ぶ。

担当

教育学部
教授 高橋 満彦

10.「風景資源論A・B」(風景論、風景観光論)の開講

概要

当該講義を通して、自然風景地の保全と持続可能な開発、及び自然と調和したライフスタイルや観光産業に関する理解を深め、日常的な消費が地域社会の持続性に結びつくという意識を醸成している。

担当

芸術文化学部
教授 奥 敬一