令和2年度 富山大学入学生への祝辞

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。そして富山県へようこそ。
これから皆さんは多くの希望を胸に、多くのことを学び、経験し、社会で生かすことが出来る様日々精進していただきたいと思いますが、私が思うことを少しお話させてください。

私は福井県で生まれ、大阪の大学を卒業後大手新聞社の写真記者として勤めました。結婚を機に妻の実家である富山県高岡市の伝統産業、高岡銅器の製造メーカーへ入社し18年間、職人として技術を磨いた後、自社製品の開発、販路拡大へ乗り出し能作ブランドを築いてきました。振り返ると大学時代に培った精神が社会に出て役に立ちました。もちろん学びも大事なのですが、友人との絆、社会との絆を築けたことが自分自身を築くことに繋がりました。

皆さんもこれからの人生において紆余曲折があると思いますが、大事なことは失敗を恐れずチャレンジすることだと思います。私は「無理です。」「できません。」という言葉が大嫌いです。やってみた結果、成功するか失敗するかはどちらでもよいことで、何もしなければ成功も失敗もありません。何かを決めなければいけないときは、私は直感で決めます。なぜならばどちらを選んでも大きな違いはないからで、仕事に限らず、人生の枝葉はたくさん広がっています。しかしどちらかを選んだ時点でもう一方の枝は存在しなくなり、「選ばなかった正解」や「間違った選択」はあり得ません。自分が選んだ枝に大きな実をつける努力をすればいいだけです。皆さんもポジテイブに考え、前へ前へ進んでください。

また富山県は食べ物がおいしく四季がはっきりしており、文化、歴史、人情などその他の地域にない素晴らしさがあります。
これからの生活で、地域の良さや富山県企業の素晴らしさを実感していただき、将来の日本のため富山のために尽くしていただけることを願い、ご入学の言葉とさせていただきます。

令和2年4月8日
株式会社 能作
代表取締役社長 能作 克治